任期残り1年の韓国・文在寅政権を脅かす領土的問題~中国が狙う「白翎島」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月11日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。任期残り1年となった韓国の文在寅大統領が北朝鮮との平和構築に意欲を示したというニュースについて解説した。

韓国の文在寅大統領(韓国・ソウル)=2020年07月21日 EPA=時事 写真提供:時事通信

任期残り1年~韓国の文在寅大統領が北朝鮮との平和構築に意欲を示す

韓国の文在寅大統領は5月10日、就任4年に合わせて演説を行い、任期残り1年が北朝鮮との永続的な平和を構築するための最後のチャンスと考えていると表明した。北朝鮮の核・ミサイルプログラムをめぐる協議が停滞するなか、行動に乗り出すときだと訴えている。

飯田)アメリカのバイデン大統領とは、21日に会談を控えているということです。

奥山)任期残り1年ということで、政治用語では「レームダック」と言われたりもします。韓国においては当然なのですけれど、大統領が最後の1年になると、力を失ってしまう部分があります。「次の大統領は何をするのだ」というところにフォーカスが行ってしまうので、権力的には弱くなる。

中国に領土的な問題で脅かされる韓国~韓国の白翎島が狙われている

奥山)私が気になっているのはその足元です。「韓国は中国に領土的な問題で侵入されて、ジワジワと足元が危なくなっているのではないか」という記事が出て来ています。

飯田)中国に。

奥山)「白翎島(はくれいとう)」という島があります。韓国と北朝鮮のちょうど間にあって、やや中国寄りにある島です。

飯田)黄海の入り口付近の朝鮮半島寄りにある島で、対岸が中国の威海衛に近い場所にあたります。遼東半島の先端と朝鮮半島の間にあるという感じですか。

奥山)この場所は北朝鮮の目の前にあるので、朝鮮戦争以来、韓国側はそこにレーダーサイトを設置して北朝鮮側を監視しています。北朝鮮側も、例えば金正恩さんが出て来て韓国側の島を双眼鏡で覗くというシーンをよく見かけます。最前線の島です。

習主席、国連総会の一般討論演説=2020年9月11日 〔新華社=中国通信〕 中国通信/時事通信

白翎島付近に軍艦や漁船を出す中国

奥山)黄海の入り口、海峡のところにありますので、中国がそこを自分のものにしようとしているのです。

飯田)なるほど。

奥山)これは地政学の世界で言うと、「内海化」などと言われるのですけれども。天津が奥の方にあって、そこから入り口に出るところになります。日本で言うところの浦賀水道でしょうか。

飯田)そういうことですね。

奥山)あの辺りに韓国西側の基地があり、去年(2020年)の12月ぐらいかららしいのですが、中国側はこの付近に軍艦を出したり、漁船も来ているようです。白翎島という島は約5000人の韓国側の住人がいらっしゃるらしいのですが、政府に「このままだと島が獲られるから何とかしてくれ」と訴えているのです。北朝鮮の最前線であったはずの島が、いま中国に獲られそうになっているという状況らしいのです。いまの韓国は左派政権で、北朝鮮と宥和ということで「統一」と言っていますけれど、その足元では、中国に狙われている状況にあるのです。

この海峡で中国は2020年に20回の軍事演習~大きな危機感を持つ韓国の安全保障関係者

飯田)中国はこの島も自国の領土であると主張しているのですか?

奥山)主張はしていないのですけれど、「ここは我々の縄張りだ」という意識を持っていますので、遠慮なく軍艦を派遣して漁船も来ている状況です。

飯田)軍艦を直接出しているのですね。

奥山)すでに軍事演習をこの海峡でやっています。去年だけでも20回やったという話があります。

飯田)20回も軍事演習をしている。

奥山)この付近で中国に押し込まれている状況があるということは、韓国側は油断していられない状況だということを指摘しておきたいと思います。

飯田)しかもいまの文在寅政権は、アメリカとの関係も決してよくはないですよね。

奥山)韓国の安全保障関係者は大きな危機感を持っているようです。

尖閣や南シナ海よりも先に動く可能性が

飯田)もしこの島に手がかかるときには、米韓同盟によって、基本的には守らなければということになります。尖閣や台湾も同様のことが言われていますが、ある意味、ここが試金石になるのですか?

奥山)尖閣や南シナ海などよりも、まず先にこちらの案件が動く可能性があります。我々も注目しなければならない場所です。

飯田)米韓関係が揺らいでいるだけに、中国にとっては、こちらの方がやりやすいですね。

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