岸田総理は“G20サミット”に「対面」で参加するべきだった
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月29日放送)に元内閣官房副長官で慶應義塾大学教授の松井孝治が出演。10月30日からローマで行われるG20サミットについて解説した。
G20サミット ~岸田総理はオンラインでの参加
G20サミットは主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議のことで、10月30日~31日の2日間、イタリアの首都ローマで開催される。これまでに岸田総理大臣やロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、メキシコのロペス・オブラドール大統領などが現地入りしない考えを示している。
飯田)オンラインで参加するということですが、G20があるから、衆院選の31日投開票はないのではないかということも事前には言われていました。
松井)オンラインで出席することも大事ですけれど、本当は首脳が顔を合わせる機会を大切にして欲しかったとは思います。このあとの政治日程などいろいろなことを考えて、それはそれで1つのご判断ですけれども。
飯田)総選挙の戦略などもあり。
G20は大切な国際的な枠組み
松井)地球温暖化ということで言えば、G7からのエリアの広がりという意味において、G20という国際的な枠組みができたのは大事なことです。大気に国境はないですし、国境を超えて協力せざるを得ない問題が出て来ているわけです。
飯田)そうですね。
松井)感染症もそうです。ウイルスに国境はなく、人が動けば当然ウイルスもついて来るというような問題について、こういう場で個別の国益を超えて地球全体のことを考えなければ、個別の国益にもつながらないという話を議論する。そして他の国もいるわけですから、2国間の対立の緩衝材をどうつくって行くか。それもすごく大事なことです。
重要な「休憩時間での会話」
松井)安倍さんは長く総理大臣を務められて、主要国のなかでもキャリアが長かった。それによる日本国の利益は大きいのです。岸田さんは外務大臣を歴代最長で務められたのだから、現地に行って顔を合わせ、冗談を言ったりするべきだったのではないでしょうか。役割としてはオンライン会議でできるけれども、休憩の時間帯に「ところで、あれはちょっと何とかならないのか」というような話をすることは大切なのです。安倍さんがトランプさんとゴルフをやったことについて揶揄する人も多いけれど、ああいうところでプライベートな会話も含め、話ができるのです。
河野太郎氏がかつてベテラン外務大臣に言われた一言 ~「電話1本で外交が済むと思うなよ」
松井)今回は衆議院の任期を超える時期ですから、仕方がなかったと思うけれども、次からは出席して欲しいですね。河野太郎さんは、どこかの外務大臣に「お前、電話1本で外交ができると思うなよ」と言われたことがあるそうです。当時、彼は電話での外相会談をさかんにやっていたわけです。しかし、どこかでベテランの外務大臣に「電話1本で外交が済むと思うな」と言われた。それは「おい、若いの」ということで、老練な先輩としての忠告です。
飯田)東南アジアの国の方でしたか。
松井)それで河野さんは反省されていました。いまで言うとオンラインで話は済んでしまうけれども、人間と人間の触れ合い、一緒に食事をしたりするのはとても大事なことです。「食べる」という、人間の生存のために必要な行為をともにすることで、初めて得られる会話があると思うのです。そういうことも含めて、こういう枠組みを大事にして欲しいと思います。
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