給付金は記名式の「政府小切手」にするべき ~高橋洋一氏が持論
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月10日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。コロナ禍での支援策について、自民・公明両党が、18歳以下を対象に現金とクーポン合わせて10万円相当を給付することで合意したことについて解説した。
自民・公明、18歳以下対象に10万円相当を給付で合意
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新型コロナの影響を受けた人たちへの支援策をめぐり、自民党と公明党は18歳以下を対象に現金とクーポンを組み合わせて、10万円相当の給付を実施することで合意した。一方、自民党は年収960万円の所得制限を設けるよう改めて求め、引き続き協議することとなった。
「困っている人」の定義がないので議論しても収拾がつかない
飯田)両党の幹事長会談、2回目の協議というところでありました。18歳以下への10万円給付について、メールをいろいろといただいております。宇都宮市の“サックス親父”さんから、「10万円給付って、子どものありなしで給付のありなしが決まるのは公平ではないと思います」とあります。「有効期限付きの何でも使えるクーポンや減税など、いろいろやり方があると思うのですけれども」というような意見もいただいておりますが、どうご覧になりますか?
高橋)この手の話は、「本当に困った人」の定義がないから、何とでも議論できるのです。それぞれの価値判断に依存するから、決めるのは大変です。
飯田)それぞれの主観ですよね。
全員に配り確定申告の際に税金で調整する方法がベストだが
高橋)それに依存するという話をみんなが正々堂々としているから、収拾がつきません。仕事ができる人はこういうことをやってはいけないのです。収拾がつかないから、いくら議論しても尽きることがないでしょう。
飯田)なるほど。
高橋)こういうときには、線引きを決めずに「ポンッ」とやって、あとで「いまあるルールに基づいて差を調整する」というのが簡単なのです。全員に配って、最後に確定申告の際に税金で調整するのがいちばん簡単です。
実際の給付は2022年3月か
高橋)このあと、1週間くらいしたら対策が出て来ます。そして補正予算をつくり、来月(12月)の国会で一応承認される。そうすると、3月までに給付できれば御の字になりますね。
飯田)そんなに遅れますか。
高橋)来月国会が決まってから、年末年始がありますしね。
飯田)日程を確認しておくと、きょう(11月10日)国会召集されるのですが、これは特別国会で、首班指名などを行うだけです。おそらく3日で閉じると言われています。
高橋)これで全部通してしまえばいいと思いますが。
飯田)そのまま臨時国会に変えて、ということですよね。ただ、臨時国会はいまのところ12月の頭くらい、3日か6日ごろに召集かと言われています。
高橋)11月中に補正予算をつくるという話でしょう。「補正予算はまだできていないの?」というレベルですけれどね。もっと早くやらないとダメです。12月の頭くらいから国会を開いて、2週間くらいは審議します。
飯田)衆参両院で1週間前後。
高橋)そうすると、12月の中下旬でしょう。
飯田)そうですね。
高橋)それでは、すぐ新年になってしまうではないですか。
飯田)年末年始で、ほとんど役所はやっていません。だいたい予算が上がってから、実際に施行されるまで1ヵ月くらいタイムラグがあると言われています。「月内に」と言うと、手元に月内に来るのかと思ったら。
高橋)そう思うでしょう。しかし、「月内に予算を出す」というレベルだと思います。
飯田)月内に補正予算が出て来て、閣議決定されるだけということですか?
高橋)いまのスケジュールを考えたら、そうだと思います。あと1週間くらいして対策だから、補正予算がその後に出て来るので、仕方ないでしょう。だから遅いのですよ。
飯田)そうですね。
高橋)去年のように地方自治体から申請書が郵送されて来て、それを地方自治体に返し、振り込まれるというパターンだから遅いですね。
給付金は記名式の政府小切手にするべき
高橋)私が以前、言っていたでしょう。記名式の政府小切手にするべきだと。
飯田)あの当時言っていましたね。
高橋)名前を書いて送るだけだから、投票所の入場券と同じなのです。総選挙のときに入場券が来るではないですか。それを政府小切手にするだけなのですよ。
飯田)中身を政府小切手に変えて。
高橋)郵送の仕方もアベノマスクとまったく一緒なのです。
飯田)なるほど。
高橋)誤送されても本人以外は使えないから、本人以外がそれを銀行へ持って行っても、本人確認で弾かれてお金がもらえません。
飯田)本人以外は。
高橋)送るだけで済み、あとは本人が銀行に持って行けば換金できる。その方が簡単なのですけれど、今回の内閣ではしないでしょうね。
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