1月16日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)に、時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野がゲスト出演。「東映京都撮影所」をテーマに、その歴史や銀幕スターのエピソードを紹介した。
数々の時代劇を生み出した京都の東映撮影所。全盛期には年間64作品、1週間に1本以上も新作時代劇を世に送り出していたが、テレビ放送がスタートすると娯楽の中心は映画館からブラウン管へ。時代劇文化存続のため、「東映太秦映画村」の構想が立ち上がるが、撮影に携わる職人たちが強く反対したという。
戸田:全盛期には1000人以上のスタッフが働いていた撮影所も、次第に寂れていきますが、そこで東映は京都・太秦に映画村を作り、映画作りの技術や伝統、時代劇文化の存続を図ります。
ペリー:15年くらい前にスタッフさんに取材したことがあるんですが、喧喧諤諤「絶対に嫌だ!」と。
戸田:うん。
ペリー:「この間までスターにスポットライトを当てていたワシが、何で入場券を売らないといけないのか」ともの凄い反対があったらしく。「でも、そうじゃなかったら映画もテレビも作れなくなる」ということを、最初にみんなに言ったのが、時代劇スターの片岡千恵蔵さんと大川橋蔵さんだったと。
戸田:はい。
ペリー:「切り替えよう」「自分達の目的を果たすために映画村を作って、映画に帰ろうじゃないか」と声をかけたそうで。すごいですよね。
戸田:想像以上に(東映太秦映画村が)大人気となったおかげで、この東映と映画村が共同で、映画『柳生一族の陰謀』が製作。これが12年ぶりの本格時代劇だったと。萬屋錦之介さんが主演ですね。
ペリー:錦之介さんは久しぶりに京都の東映で時代劇を撮るということで、撮影所に帰って来た時、みんなが拍手して。泣いた方もいたと。
戸田:そういう話って、聞くだけでちょっと……。すごいなと思うし熱いですね。
ペリー:本当にそうなんですよ。映画への想いがものすごく強いし、テレビもそうだけど、時代劇への想いがすごく強い方ばかりで。本当にこれができたのは、映画村へ気持ちを切り替えて、「“見世物”と言われてもいいじゃないか」「オレ達の目的の為に頑張ろう」と言って映画村が収益を上げて、映画を作る。映画人達の強さ、功績だと思います。
テーマパーク「東映太秦映画村」の構想に、映画作りを支えてきた職人達が猛反対したが、トップスターの片岡千恵蔵さん、大川橋蔵さんが「自分達の目的を果たすために映画村を作って、映画に帰ろう――」と励ましたという。そして、映画村は想定以上に大人気となり、本格時代劇『柳生一族の陰謀』の製作が決まる。主演・萬屋錦之介さんが撮影所に入ると、並んだスタッフが拍手で出迎え、涙を流す者もいたそうだ。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。