自民党・高市早苗政調会長が1月25日、対中非難決議について述べた。
対中非難決議
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月25日放送)に自民党・高市早苗政調会長が出演。対中非難決議についての考えを述べた。
飯田)対中国を念頭に、経済安全保障に関しても議論することが多くありますが、対中国に関しては、いろいろな側面があると思います。今国会では、人権に関しての決議をどうするかということが議論されています。高市政調会長は「北京オリンピック開催前にやるべきだ」とおっしゃっていました。これはどうなりそうですか?
高市)何とか間に合いそうな雰囲気になって来ています。
飯田)「国の名前が入っていない」など、中身に関しての批判もありますけれども、出すということが重要ですか?
高市)国名は入っていませんが、読んでいただければ、どこの国についての話かはよくわかる内容になっています。
国会で決議することに意義がある
飯田)ウイグルやチベット、香港もそうですし、南モンゴルの議連にも深く関わっていらっしゃいます。いろいろなところでそのようなものが出て来ているのですね。
高市)アメリカ商務省の「エンティティ・リスト」を見ても、新疆ウイグルに関する団体、企業が載っています。そこに対しては、もう一定の技術や物品は輸出できない。そういう企業団体として指定されたということは、やはり人権という問題が世界的に強い関心を持たれているということだと思います。この問題は、国権の最高機関である国会で決議するということに意義があると思います。
2021年の臨時国会で出したかった
飯田)間もなく北京オリンピックが開かれます。政府の説明では「ボイコット」という言葉は使わないということですが、日本は政府代表団を派遣しないことになりました。もう少し早く出した方がよかったでしょうか?
高市)そうですね。「早く決めていただきたい」ということも含めて申し上げておりましたけれども、それを「倒閣運動だ」と言って怒っていらっしゃる方もいるということを、何かの記事で読みました。
飯田)倒閣運動だと。
高市)これは国際社会のなかで、当たり前の行動だと思います。人権問題について、各国が強い関心を示している。日本も「人権を大切にする国なのだ」ということを世界に向けてしっかりと発信しなくてはいけないのです。
飯田)日本もそうなのだと。
高市)早かった方がよかったというのは、去年(2021年)の臨時国会でこの決議を出したかったからです。ただ、政府の方がまだ、北京オリンピックに対する対応を決めておられなかった。党内でも政府に気遣う空気もありましたからね。政府が決められたのは、去年の臨時国会が終わってからでしたので、少し残念でしたね。
「自由で開かれたインド太平洋」の中心にいる日本
飯田)「自由で開かれたインド太平洋」という旗は、日本が率先して行っています。世界からの日本に対する期待は大きいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか?
高市)そうですね、クアッドも日本で開催されます。地理的な条件を考えても、有志国と連携して行く、その中心に日本があるのはいいことではないでしょうか。
アメリカでの経験「逆差別」 ~「機会の平等」が大切
飯田)高市政調会長は、アメリカの議員スタッフもやられていました。やはり向こうの人権に対する意識は相当重いものがありますか?
高市)揉めていましたね。私がアメリカに行ったのは1980年代後半です。あのころ、女性と黒人に対する差別をなくそうということで、例えば大学受験でも女性枠、有色人種枠、企業に就職するにしても、女性で主に黒人の方々が優遇されるようなことがありました。
飯田)差別をなくす一環で。
高市)でも、そのころのアメリカは失業者の方が多かったのです。同じように努力して、自分も成績がいいのに、自分より成績の悪い女性や黒人の方々が合格して会社に入ったということで、「逆差別ではないか」という声が激しく上がっていました。
飯田)逆差別だと。
高市)「機会の平等」ということを私がよく申し上げているのは、そのことなのです。無理やり平等にした場合に、誰かが煽りを受けてしまう。「結果の平等」が行きすぎてしまうと、また別の意味での議論が出て来るということを、あのころつくづく感じました。
飯田)まだそこまで表面的にはなっていませんが、日本でも、その議論がネットなどで出て来ています。少し心配な流れになって来ているのかも知れません。
高市)私が初入閣したのは平成18年です。科学技術やイノベーション、ITなどを担当する内閣府の特命担当大臣になりましたが、やはり周囲の国会議員からは、女性枠であるとか、性転換したいなど、いろいろなことを言われて辛かったですね。「そのように見られているのか」と、本当の実力をつけなければいけないと思いました。
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