オミクロン株は「指定感染症」に戻すべきではないか ~「2類か5類か」議論よりむしろ柔軟に

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月31日放送)に中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が出演。衆院予算委員会の集中審議について解説した。

政治 衆院予算委で答弁のため挙手をする岸田文雄首相=2022年1月26日午前、国会・衆院第1委員室 写真提供:産経新聞社

衆院予算委員会の集中審議

岸田総理大臣と関係閣僚が出席する衆院予算委員会の集中審議が、1月31日と2月2日に開かれる。1月31日の集中審議は国土交通省の統計データ書き換え問題、2月2日は新型コロナ対策が主なテーマとなる。

飯田)予算委員会は、1月24日~26日に総理と全閣僚出席のもとで基本的質疑を行い、28日にも一般質疑が行われています。31日は統計不正問題について行うようです。

国交省の統計書き換え問題 ~間違いに気付いたあとの対応が酷かった

野村)国交省の統計問題は非常に不思議な問題で、「建設工事受注動態統計」と言われる基幹統計についての数字を、業者から知らせを受けるのが遅れたときに、平均値を先に書いておいて、あとから来た数字を最後の月に全部載せてしまい、二重に計上されていたというものです。これは夏休みの宿題の絵日記を最後にまとめて書いたような状態で、しっかりしなければならないことを、いろいろな事情があってできなかったため、まとめてしまったような問題で、意図的に数字を変えようとしたわけではなさそうです。ただ、基幹統計でこのようなことをしてはいけません。

飯田)そうですね。

野村)私が問題だと思うのは、気付いたあとの対応が酷かったことです。自分たちで明らかにして直したり、事情を説明したりしなければならないのに、隠蔽(いんぺい)のようになってしまいました。人間、誰しも失敗することや仕事の仕方を間違えることはあると思いますが、それに気付いたあとの対応が問われる部分だと思います。きょう(31日)はその辺りが強く主張されるのではないかと思います。

飯田)会計検査院が指摘したあとも、改竄(かいざん)が続いていたと報じられていますね。

野村)気付いたあとの対応が大切だと思います。

政府提出法案が少ない ~参議院選挙の前に野党と対立したくない

飯田) 国会全体としての展開なのですが、まずは本予算の審議が続くので、個々の法案審議はそのあとですけれども、注目点はどの辺りだと思いますか?

野村)国会はルール上、予算先議になっていますので、2月辺りにまず予算を衆議院に通し、3月に自然成立するような段取りができます。そのあとは予算関連法案という、お金をつけなければならない法律があるのですが、これがまず先に行われるのです。そのあとに国の基本に関わる重要法案が挙げられて来るのですが、今回はこの法案の数が少ないです。

飯田)かなり絞り込んで、政府提出法案の数は58本です。

野村)やって欲しい法律はたくさんあるのですが、参議院選挙の前にあまり対立をつくりたくないことが見え見えですね。

飯田)参院選の前には。

野村)重要な法案もあるので頑張って欲しいと思いますけれどね。

「経済安全保障推進法案」と「こども家庭庁設置法案」については野党の対立はない

飯田)今回の目玉とされているのが、「経済安全保障推進法案」と「こども家庭庁設置法案」です。いずれもあまり対立しないということですか?

野村)そうです。例えば、いま戦略物資などの管理の問題が国防にも関わって来るということは、はっきりしています。さらにコロナ禍でいろいろな問題が起こっています。コロナの影響でパソコンなど、さまざまなものがたくさんつくられるようになると、半導体不足で生産が止まってしまうという問題もあります。あるいは国家独占的な体制を取っている国々は、自分たちで生産管理をしてしまうので、自由競争している我々が馬鹿を見るのではないかという問題も出て来ています。ここはしっかりとした戦略で対応して欲しいです。

飯田)経済安全保障推進法案については。

野村)ここはおそらく与野党対立にはならないと思います。こども家庭庁の問題も、基本的には野党も同じ考え方だと思うので、ここもあまり対立しないだろうと思います。

特殊なオミクロン株は指定感染症に戻すべき ~その上で条文をアレンジして適用できるようにする

野村)例えば感染症法も本当はあまり対立しないと思うのですが、なぜこれをやらないのかと思います。

飯田)感染症法の括りでは、新型コロナを2類にするのか5類にするのかという問題があります。

野村)以前は指定感染症でしたが、いまは改正されて「新型インフルエンザ等感染症」という位置付けになり、2類相当のパッケージになってしまっています。最初は指定感染症だったので、必要な条文をつまみ食い的に政令でアレンジできるものでした。しかし、期限が2年しかなくて、指定感染症ではもう持たなくなって来たため、条文上ではっきり位置付けてしまったのです。

飯田)そうなのですね。

野村)固まってしまった。オミクロン株は特殊ですから、もう1度、指定感染症に戻した方がいいと思います。あるいはデルタ株は現状のままで、オミクロン株を指定感染症に戻し、必要な条文をアレンジして適用できるようにした方がいいと思います。そうすると「2類か5類か」という議論よりは、むしろ柔軟になると思います。保険適用もあれば入院勧告はあまり強制しないというやり方もできるようになると思うので、それを国会で議論すべきだと思うのですが、どうしてやらないのでしょうか。

飯田)指定感染症に戻すためには、もう1度法改正が必要だということですね。

野村)「オミクロン株を指定感染症にする」と法律で位置付けなければ先に進みません。いわゆる2類、5類の問題なのですが、もう少し柔軟に議論すべきだと思います。

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