ジャーナリストの有本香が4月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。新政権となる今後の韓国との付き合い方について解説した。
韓国次期大統領の政策協議代表団
韓国のユン・ソギョル次期大統領が日本に派遣した政策協議代表団は4月25日、林外務大臣らと面会した。代表団は韓国国会副議長のチョン・ジンソク氏を団長に7人で構成されている。外務省で林大臣と会談後、森事務次官らと約40分間協議した。その後、経済産業省や防衛省を訪れ、大臣と会談した。また代表団は4月26日、岸田総理とも会談した。
飯田)岸田総理宛の親書を携えており、昨日(4月25日)は各大臣と会ったということです。
有本)韓国側は、相当日本に期待する向きが強いのでしょう。しかし、日本側は何も期待することはありません。要するに、日本と今後、本当の意味でのいい関係を築いていこうということではなく、いろいろと困っていることがあるからなのですよね。
飯田)困っているから。
有本)例えばいまはコロナ禍で、韓国人の日本への渡航が自由にならない。ようやくコロナ対策も終わりに向かっているなかで、日本が国境を開けたら、従来通り「韓国からの渡航は基本的にノービザで入れるように」と強く要望する声があるらしいのですけれども、それもどうかなと思います。
コロナ禍でわかったインバウンドの影響は「大きくない」
飯田)一方で中国もそうですけれど、新型コロナの影響も。
有本)感染も深刻な状況ですしね。それからこの2年間で、私たちはわかってしまったのですけれども、日本にとって、中国や韓国からのインバウンドに依存することが必須であるかどうかということです。コロナ禍によって、「そうでもなかったな」ということがわかってしまった。ここは慎重に構えた方がいいと思いますね。
ホワイト国リストに戻して欲しい
有本)一方で25日、萩生田経済産業大臣に韓国の代表団が会っていますけれども、私たちの記憶に鮮明なところでは、「ホワイト国リストから韓国を除外した」ということがあります。戦略物資が韓国へ優先的に、いろいろな手続きもなく日本から輸出できる。それがどうも北朝鮮に流れていたのではないかという疑いが濃くなったので、ホワイト国としての待遇をやめたという話ですけれども、これを何とかして欲しいということのようです。
飯田)チェックしてくれれば、うちとしては「出すよ」ということですが。
有本)そうなのです。しっかりと取り扱ってくれれば、それでよかったのです。ですから、「昔の通りに戻してね」という韓国側の言い分だけを聞くわけにはいきません。
なぜ岸田政権は韓国の新政権が派遣した政策協議団と積極的に会うのか
有本)何よりも、韓国の新政権が派遣してきた政策協議団と、岸田政権が「なぜ積極的に会うのか」という理由がわからない。これは林大臣の方向性なのかも知れませんが。もっと重要な外交的な関係は各国あるわけで、「なぜ優先されているのか」という疑問があります。
日本を敵対国として扱った経緯のある韓国 ~建設的な回答のない国になぜいい顔をして会わなければならないのか
有本)やはり忘れてはいけないのは、2018年でしたか、自衛隊の……。
飯田)レーダー照射ですか。
有本)韓国の艦船から自衛隊の航空機に対して、レーダー照射が行われました。これは空の上だけのレーダー照射とはまったく違って、明確な敵対行為です。
飯田)引き金に手をかけて照準を合わせ、あとはボタン1つというところですよね。
有本)これについても、きちんと韓国側からあの時点で説明もなければ、謝罪もなかったわけです。日本を敵対国として扱ったという経緯があるわけで、いくら「大統領が変わりました」と言われても、簡単に水に流すというのはよろしくないと思います。
飯田)政権が変わったからと。
有本)林外務大臣が中心になって、今回の代表団との面会がセットされたと聞いていますけれども、日本国民に対して説明すべきではないですかね。これほど優先させることの意味は何なのか。日韓関係を元通りにしていくことでのメリットは、韓国側にとっては大きいわけです。
飯田)レーダー照射も、元徴用工の話もそうですが、すべてボールは向こう側にあります。
有本)そういう事柄について、何も建設的な回答を寄せていないのに、なぜ日本がいい顔をして会わなければいけないのだろうと。そもそも、そこからして多くの国民が疑問に思っているでしょう。日本政府は私たちに説明すべきだと思います。
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