習近平氏に「反旗」を翻した2人の人物  出始めた3期目続投への「不安定要因」 

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自由民主党・参議院議員の青山繁晴が4月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ソロモン諸島との間で安全保障に関する協定を結んだ中国について解説した。

習近平氏に「反旗」を翻した2人の人物  出始めた3期目続投への「不安定要因」 

1日、中国・北京の天安門広場で開かれた中国共産党創立100年を記念する式典で演説し、拳を突き上げる習近平党総書記(国家主席)[中国政府のニュースサイト「中国網」の中継動画より]=2021年7月1日 写真提供:時事通信

中国、ソロモン諸島と安全保障に関する協定締結

中国外務省は4月19日の記者会見で、南太平洋のソロモン諸島との間で安全保障に関する協定を結んだことを明らかにした。この地域での中国の軍事的な影響力拡大につながるとして、周辺国からの反発が強まることが予想される。

飯田)位置的には、オーストラリアの北にパプアニューギニアがありますが、そのさらに東寄りになります。

青山)ソロモン諸島と言われてもはっきりとイメージできないかも知れませんが、「ガダルカナルのある国」と言えば、若い人でも歴史で勉強していると思います。日本軍が玉砕したガダルカナル島に首都があるのです。

飯田)ガダルカナル島に。

青山)オーストラリアにとって、また、アメリカやニュージーランドにとっても大事な位置にあります。

安全保障を名目にしてチャイニーズマネーを入れる ~中国は他の国を脅かすための軍事拠点に

青山)安全保障はどこの国にも必要ですが、いま、ソロモン諸島という国に誰が攻めてくるのでしょうか。「中国と安全保障の取り組みを結んだ」と言っているけれども、本当は安全保障を名目にチャイニーズマネーを入れて、中国が他の国を脅かすための軍事拠点にするということなのです。

飯田)実際に報道でも、港を使う等々というところまで出ています。

青山)実質的に中国の南太平洋における前進基地にするのと同じです。

イギリス連邦であったソロモン諸島

飯田)グアムやハワイからオーストラリアに線を引っ張ると、ちょうどここが真ん中になります。

青山)アメリカはこの件について、カート・キャンベルさんという知日派の方を派遣予定だと表明するなど、大急ぎで対処していますが、ウクライナ情勢が響いて対応が遅れました。前からソロモン諸島には大きな問題がありました。私の知る限り、国民は中国嫌いの人が多く、暴動まで起きているのです。

飯田)政府に反対してという。

青山)最近の政権が親中派になってしまった。ソロモン諸島はもともとイギリス連邦だったのです。「ソロモン」という国名も、古代イスラエルのソロモン王が由来です。イギリス連邦ですから、そういう文化でもあるのです。

飯田)イギリス連邦だった。

青山)フィジーと同じです。フィジーもイギリス文化の国ですけれど、そこに権力者だけが特権でチャイナと結びついて、国民の感情を逆撫でしている。ロシアのウクライナ侵攻で耳目があちらに集まっているときに、中国が手を伸ばして、それに乗っかったということです。

習近平氏に「反旗」を翻した2人の人物  出始めた3期目続投への「不安定要因」 

演説で台湾統一実現への決意を表明した中国の習近平国家主席=2021年10月9日、北京(共同) 写真提供:共同通信社

日本とオーストラリアに楔を打ち込もうとする中国

青山)安全保障を名目にしているということで、オーストラリアもニュージーランドもアメリカも、かなり怒っているわけです。日本も無関心ではいられません。日本とオーストラリアはクアッドでの結びつきもあり、AUKUSという枠組みにJをつけてJAUKUSとなる可能性も十分にあるので、そこに楔を打ち込むように中国軍が動いてくるということは、大きな問題です。

飯田)そうですね。

青山)すべてはお金の話なのです。ソロモン諸島の国民が豊かになるのであれば、また話が別だけれども、一帯一路の例があるように、中国が考えるのは常に自分の利益だけです。アフリカ諸国にあれだけ中国が入っていますが、私が知っている限り、アフリカの方で中国に好意を持っている人はいません。

国際化していない中国 ~共産党の教育が問題

飯田)労働力まで中国から連れて行くので、ほとんど地元にお金も落ちないし、技術も落ちないと言われています。

青山)そういう発想がないのですよね。

飯田)全部自分たちで建設してしまう。

青山)一言で言うと、中国は国際化していないのです。これだけ大規模に世界に出て行っているけれども。国際化というのは、民族や国籍、国が違っても、お互いに利益を共有して生きるということですが、それを感じることはありません。やはり共産党の教育に原因があるのだと思います。

習近平主席への不安定要因 ~朱鎔基元首相や李克強首相らエコノミストからの反乱

飯田)中国は、今年(2022年)秋には党大会を迎える予定です。

青山)不安定要因が既に出ています。朱鎔基元首相というエコノミストです。中国は当時、胡錦濤国家主席と温家宝首相のコンビにより、10年で日本経済を抜いて世界2位になった。それでもまだ日本は世界3位ですけれども。現在の中国は、当時の経済成長率の約半分しかないのです。習近平国家主席と李克強首相のコンビは、経済で実績がないので、これまで毛沢東さんでもできなかった「台湾併合」をやろうとしているというのが真の姿です。

飯田)台湾併合を。

青山)そこに朱鎔基元首相がはっきりと反旗を翻して、習近平国家主席は10年でそのまま辞めるべきだと。1期5年、2期まで任期を決めたではないかと。それを延長する理由があるのか、ということを言っているのです。

飯田)任期を決めたではないかと。

青山)朱鎔基さんは、中国の政治のなかでは最も私心の少ない人で、比較的、権力亡者ではない。ヨーロッパでもアメリカでも通用する人です。

飯田)朱鎔基さんという人は。

青山)しかし、軍と結託するようなことはないので、習近平国家主席は甘く見ているのでしょう。ただ、この動きは朱鎔基さんだけではありません。李克強首相が「私は10年で辞めます」と言っているのは、エコノミスト、経済実務家側からの反乱です。

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