日本の「EEZ内での海洋調査船航行」 韓国の意図は何なのか
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ジャーナリストの佐々木俊尚が5月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。韓国の国営企業の依頼を受け、竹島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で航行していた海洋調査船について解説した。
竹島周辺、日本のEEZ内で韓国側の海洋調査船が航行
島根県の竹島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、5月9日以降、韓国の国営企業の依頼を受けた海洋調査船が航行していたことがわかった。日本政府は「調査を行っていたのであれば容認できない」と、韓国側に外交ルートを通じて申し入れた。
飯田)ノルウェーの調査船だそうですが、9日以降ということは、新政権が発足する前後ということになります。
なぜこのタイミングなのか ~何を考えているのか理解できない
佐々木)しかも、新大統領の就任式には日本の林外務大臣が出席しているのです。なぜこのタイミングで、そんなことをしなければいけないのか。
飯田)そうですよね。
佐々木)これまでの政権は北朝鮮寄り、中国寄りと言われて、日本には厳しい状況でした。しかし、久しぶりに保守政権に戻り、日本やアメリカ側に少し戻ってくれるのではないかと期待していた矢先の事件です。
飯田)なぜなのかと。
佐々木)でも、韓国はときどき、何を考えているのかわからない事態を引き起こすのです。以前も自衛隊機にレーザーを照射して、問題になったことがありました。なぜそんなことをするのかわからないけれども、そういうことを突然やる。この国のガバナンスはどこまで効いているのかな、という感じがします。
排他的経済水域(EEZ)内なので、それほど大きな問題ではない
飯田)この調査船も民間が出したわけではなく、国営企業の依頼を受けているということになると、「政府の意向なのか」と思ってしまいますよね。
佐々木)外国船籍の調査船なので、韓国軍が依頼したとか、直接的に領海侵犯を行ったという話ではありません。あくまでもEEZ内なので、それほど問題はないと思うのですが、その意図を考えなくてはならない。ただ、韓国は案外、意図がないのではないかということも考えられます。はっきり言って、この話はよくわかりません。
保守政権に戻った韓国を日本・アメリカ側に引き戻したい ~北朝鮮へのワクチン供与も悪くない
飯田)尹錫悦政権が発足する前から、韓国の新政権の政策チームが来て、日本の閣僚に会ったりもしていました。岸田政権は前のめりで韓国との関係改善を目指しているように見えますが。
佐々木)東アジアをめぐる状況で言うと、中国の危険性は相変わらずなのですが、韓国が保守政権に戻って話し合いが進んでいる。そして北朝鮮が突然、コロナ感染の流行を発表し始めました。ここで北朝鮮に人道的援助としてワクチン、治療薬を送った方がいいのではないかという話も出ています。「ミサイル実験をやめさせてからだ」と反対している人も多いのだけれども、ここで人道的援助をしておけば、北朝鮮の態度が軟化する可能性もあります。日本がワクチン供与を行うのも、悪いことではないのかなと思います。
飯田)ワクチン提供も。
佐々木)中国の脅威がある状況のなかでは、韓国と北朝鮮をなるべく中間的なところに置いておきたいというのが日本の姿勢だと思うし、あまり韓国に対しても怒らず、なるべく柔らかい交渉をして欲しいと思います。
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