ジャーナリストの須田慎一郎が5月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。フィンランドが正式に申請を表明したNATOへの加盟について解説した。
フィンランドがNATO加盟を正式表明
北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請する意向を示していた北欧フィンランドのニーニスト大統領は5月15日、加盟申請を正式に表明した。
ロシアが自ら招いた結果
飯田)フィンランドがNATOへの加盟申請を正式に表明しました。また、スウェーデンも近く申請を行う予定だということです。この辺りの安全保障環境も変わってきましたか?
須田)そうですね。大前提として、ロシアのオウンゴール、自ら招いた結果だと思います。これによって戦後の欧州の仕組みが大きく転換するかも知れません。今回、フィンランドでこのような方向性にリードしたマリン首相は、36歳の女性です。
ロシアとの関係をリセットしようとする大きな動きが出てきた ~欧州の秩序が変化する状況に
須田)戦後のフィンランド化という状況は、軍事的・安全保障的に中立を保ち、ロシアとの関係を友好的に持っていくというものでした。そこから戦後生まれの36歳の女性首相という、かつての第二次世界大戦、その後の経験などを皮膚感覚でわからない新しい世代が出てきた。それによって、ロシアとの関係をリセットしようという大きな動きが出てきたのだと思います。
飯田)マリン首相は私よりも4~5歳若いのですよ。ほとんど冷戦下の記憶はないですよね。肌感覚が違うというのは、まさにそうだと思います。
須田)そうは言っても、ロシアのリアルな軍事的脅威にどう対峙していくのかというところです。ドイツが防衛予算について、対GDP比2%超えに踏み切ったことなども考えてみると、ヨーロッパ自体が大きく動いているのだろうなと思います。そう考えると、秩序そのものが変わってしまうという状況になるのではないでしょうか。
単独で自らの国の防衛を保障するのは難しい
飯田)フィンランド、スウェーデンがNATOに入ろうとすると、同盟の価値が世界的に見直される可能性もあるということですよね?
須田)少し言葉を置き換えると、集団的自衛権ということなのでしょう。単独で自らの国の防衛を保障するのは難しいということが、常識になってきたのだろうと思います。
日本が軍事的な攻撃を受けたときに、一方的にアメリカが守ってくれるわけではない
飯田)アジアに置き換えたときにどうなのか。日本は日米同盟がありますが、それをきちんとワークさせることが重要になりますよね?
須田)日米安保の規定を読み込んでいくと、日本が軍事的な攻撃を受けたときに、一方的にアメリカが守ってくれるような建て付けになっているわけではありません。日本も応分の対応をしていかなければ、アメリカも真剣に対応してくれないのだということを理解するべきです。いまの憲法や防衛予算でいいのか、という問題も出てくると思います。
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