感染者急増は、第6波収束時に政治的理由でオミクロン株の検証を怠った「政府のツケ」

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ジャーナリストの須田慎一郎が8月1日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。政府の新型コロナ感染症への対応について解説した。

感染者急増は、第6波収束時に政治的理由でオミクロン株の検証を怠った「政府のツケ」

無料のPCR検査場に入る人々=2022年7月29日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

第7波で「2類相当からの変更はせず」 岸田総理

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岸田総理)いま感染が拡大しているこのタイミングにおいて、感染症法上の位置づけを変更するということは考えていない。今後、時期もしっかり見極めながら変異の可能性等もしっかり判断した上で、2類として規定される項目について丁寧に検討していく。専門家の皆さんのご意見も聞きながら丁寧に検討を行っていく。

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新行)2類相当からの引き下げについて、現時点での変更は考えていないとしているのですが、全国知事会からは「新型コロナ感染者の全数把握の仕組みを、第7波の収束を待たずに早急に見直すべきだ」という訴えが出ているということです。全国知事会は、医療と経済活動の両立を目指して、新しい変異株「BA.5」の特性を踏まえた対策の見直しを国に求める緊急提言をまとめました。感染症法上の取り扱いについては、2類相当からの引き下げは盛り込まずに、感染者の全数把握の見直しを検討するよう求めています。7月31日に放送されたフジテレビの番組でも、全国知事会長の平井伸治鳥取県知事が「相当な負担になっていて、医療機関も保健所も倒れてしまう」と述べたということです。

須田)いま起こっている議論は、逆さまだと思うのです。オミクロン株BA.5で感染者が激増してきていて、医療現場が大きくひっ迫している。あるいは保健所の業務が停滞しているから見直しを行う、というような議論の建て付けになっているではないですか。

新行)そうですね。

須田)しかし、そうではないと思うのです。オミクロン株含めて、毒性はどうなのか、リスクはどうなのか、危険性はどうなのか。「2類相当ではなく5類に下げましょう」というのが、当たり前の進め方なのです。だからいまできないのです。本来であれば、第6波が収束した段階で、「オミクロン株とは一体どういうものなのか」をきちんと検証していればよかったのです。ただ、そのタイミングは参議院選挙前だったではないですか。

新行)そうでしたね。

須田)拙速にそれを進めてしまって、万が一のことがあると、大きな政治上のリスクになるのです。健康上のリスクではなく、「政治上のリスクを回避するために、先送りにしてしまった」というツケが大きく出ているのだろうと思います。

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