ウクライナ侵攻と並行して「中国との合同軍事演習」を実施せざるを得ない「ロシアの事情」

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ジャーナリストの佐々木俊尚と筑波大学教授の東野篤子が12月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国とロシアによる合同軍事演習について解説した。

ウクライナ侵攻と並行して「中国との合同軍事演習」を実施せざるを得ない「ロシアの事情」

北京で、記念撮影に応じる中国の習近平国家主席(右)とロシアのプーチン大統領(中国・北京) AFP=時事 写真提供:時事通信

中国とロシアが東シナ海で合同軍事演習を実施へ

中国とロシアが12月21日から1週間にわたって東シナ海で実弾を使った合同軍事演習を実施することがわかった。合同演習には、ロシア太平洋艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦やフリゲート艦が参加する他、中国海軍からは駆逐艦や監視船、潜水艦、航空機が演習に参加する見通し。

飯田)両国海軍の協力体制を強化すると言っていますが、ロシアはこのようなことをする余裕があるのですか?

東野)中国とロシアの合同軍事演習は定期的に行われています。ここでそれを止めてしまうと、「それほどまでにロシアは苦境にあるのだ」というメッセージになってしまいかねないので、やらざるを得ないと思ったのでしょうね。

飯田)やらざるを得ないと。

東野)ちなみに、例年行っているような軍事演習に関しては、1つもキャンセルしていません。その辺りは、情報戦の観点からも止めることはできないのだと思います。

ロシアと中国がこれほど密接な関係になることは冷戦時代には考えられなかった

佐々木)中国とロシアがこれほど緊密になるなんて、冷戦時代から考えると信じられないですね。

飯田)70年代は国境で紛争を起こしていましたものね。

佐々木)つい最近まで中国は集団指導体制でしたし、ロシアも冷戦時代は恐ろしい国だと思われていたけれど、集団指導体制を取っていた。それが両国とも集団指導体制を捨てて、完全に独裁体制に変わりました。しかも中国は伝統的に国外に興味がない国だったのですが、対外進出を狙うようになっている。東アジアにおいて、西太平洋の地域がこんなに恐ろしい火薬庫になるなどとは、誰も想像していなかったですよね。

ウクライナ情勢が長引くほど、中国とロシアの力の非対称性が強まる

飯田)中露の関係ですが、一方で核の使用に対しては、中国からの圧力もあり、ロシアは少し躊躇する部分があるようです。決して一枚岩ではないということですか?

東野)しかも、ウクライナとロシアの戦争が長引けば長引くほど、中国とロシアの力の非対称性が強まっていくのだと思います。エネルギー面でもロシアは、いままでヨーロッパが買っていてくれた分が売れなくなっている。

飯田)ロシアへの制裁によって。

東野)中国やインドに売るしかないので、やはり中国に頼らざるを得ない部分があると思います。

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