中国警察が日本に派出所を設置する「本当の狙い」
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作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴と数量政策学者の高橋洋一が12月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国警察が日本国内に設置しようとしている派出所について解説した。
中国警察が日本国内に派出所を設置か
松野官房長官は12月22日の会見で、中国による「海外派出所」について実態解明を進めていく考えを明らかにした。これをめぐり、青山繁晴議員が代表を務める自由民主党の議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」が、政府に対して実態把握を促していた。
飯田)かなり早い段階から、青山さんはこの問題を取り上げていらっしゃいました。
青山)「護る会」のプッシュもあって、政府がようやく動き出しました。護る会がこの間行った会合に国家安全保障局から高官が来られて、高官自ら「ここに我々が来たということがいちばん大事な1つです」とおっしゃいました。「これからやります」ということなのです。
飯田)これからやる。
青山)先ほど飯田アナウンサーが「設置か」と、当然そういう言い方をされたのですけれども、「設置か」ではなく「設置している」のです。
海外に流出している人材を中国に取り戻すのが本来の狙い
青山)中国は否定していますけれども、否定の中身を見ると、「運転免許証の更新をしているだけだ」と言っています。実際にそれも行っているのですが、いわば隠れ蓑なのです。中国はいま、お金と人材が海外に流出しているので、それを取り戻したいというのが本来の狙いです。
飯田)国外へ流出した人材を取り戻すため。
青山)それで日本や各国の主権を侵害し、自分で勝手に外に出て、逃亡している犯罪者の場合もあるかも知れませんが、そうではない人たちに対しても働きかけている。
飯田)そうでない人たちにも。
「日本の尊厳と国益を護る会」の働きかけでようやく政府が動き始めた
青山)日本は中国にとって外国ですから、まさか強制送還はできない。だから圧迫して、自分で帰るように仕向けているわけです。
飯田)「ご家族がどうなるかわからないよ」などということもあるかも知れない。
青山)松野官房長官がおっしゃったのはいいのですけれども、現時点で日本政府が言っているのは、「もしも、そういうことをやっているのであれば問題だ」ということです。「もしもではないでしょう」と護る会が言って、その「もしも」を突き詰めるために、やっと動き出したのです。
通常の行政サービスであれば、在外公館が行うべき
高橋)通常の行政サービスであれば、在外公館があるから、そこが動いてくれということです。そもそも在外公館でなければいけないのですが。
中国警察の派出所が域外適用を行使して、日本国内にいる日本人を拘束する可能性も
高橋)もう1つ、中国の法律には域外適用という考え方があるでしょう。いまのところ、在日中国人の人間と関係があるという言い方をするのだけれども、我々日本人もあり得ますよね。
青山)あり得ます。
高橋)私などは政府の方から「絶対に中国に行ってはダメですよ。香港もダメですよ」と言われているのです。「日本国内にいれば安全だ」と思っているのですが、このようなことをされたら、域外適用で私がある日、拉致されてしまう可能性もあります。
青山)まったくその通りですよ。
安保3文書のポイントは「弾が買えるようになった」こと
飯田)安保3文書が出ましたけれども、こういう浸透工作のようなものも考えなくてはいけないですよね。
青山)考えなくてはいけません。でも本当は3文書では足りず、スパイ防止法をつくらなくてはいけないし、3文書でいちばんよくなったのは反撃能力ではないのです。以前から専守防衛でもあるのだから、射程を長くするだけです。ポイントは、これで弾を買えるようになったということです。
飯田)弾を買えるようになった。
青山)いままでは弾が足りず、イージス艦のミサイル発射管なども、ミサイルが入っていないものがたくさんありました。しかし、やっと弾が買えるようになったのです。
飯田)弾が足りないというのも、公然の秘密のようになっていましたが、表に出ましたものね。
青山)弾を買ってくれとずっと言っていて、やっと買えるようになった。
飯田)本当に笑えない川柳ですけれども、「たまに撃つ 弾がないのが たまに傷」という有名な川柳があります。
青山)実はインテリジェンスの高官がこれを調べに行って、帰ってきて私に会ったときに、インテリジェンスの怖い人が思わず笑い出していました。
飯田)笑い出した。
青山)イージス艦のふたを開けさせたら「ミサイルが入っていない」と言って笑うから、「笑いごとではない」と。とにかくお金がなければいけない。日本企業から弾を買えるので、買いましょうということです。
防衛に関して、なぜ国有企業がないのか
飯田)弾を買い出したら、それだけで(GDP比)2%になるのではないですか?
高橋)安保3文書は私も一定程度は評価しますが、「なぜ防衛に関する国有企業がないのか」と不思議で仕方ありません。民間企業にやらせるのはきついのですよ。
青山)戦前の工廠ですよね。
高橋)研究所が今度きちんと行うという話はあったけれども、この際、国有企業も(つくればいいのに)と思いましたよ。
青山)賛成です。
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