「ルフィ」の背景に「国際犯罪シンジケート」の存在
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ジャーナリストの須田慎一郎が2月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。広域強盗事件について解説した。
広域強盗事件の背景に国際犯罪シンジケート組織の存在 ~渡辺容疑者はそのトップではない
飯田)全国で相次いでいる一連の広域強盗事件について、いよいよ身柄が日本に送還されるという話も出てきています。フィリピンから指図をしていたということですが、そこで留まる犯罪なのかどうか。
須田)この4人、特に「ルフィ」を名乗っていた渡辺優樹容疑者は、フィリピン当局から「ビッグボス」と言われていて、リーダーのような位置付けになっています。ただ、この事件に関して言うと、背景には国境をまたぐ日系の国際犯罪シンジケート組織があるのだということです。
飯田)国際犯罪シンジケート組織。
須田)ある意味ではマフィアと言ってもいいのですが、そういう組織がある。ルフィこと渡辺優樹容疑者が、その組織のトップを担っているかと言うと、必ずしもそうではないのです。
飯田)渡辺容疑者は組織のトップではない。
銃器や薬物の売買も手掛けている犯罪組織 ~容疑者の4人が供述に応じるかどうか
須田)特殊詐欺、そして強盗事件に関してはリーダー役を担っていたかも知れないけれど、取材を進めていくと、犯罪シンジケート組織はそれ以外にも、例えば銃器や薬物の売買も手掛けているのです。
飯田)この組織は。
須田)そのなかの一端なのです。氷山の一角。ですから、この4人が日本に送還されれば、おそらく警察サイドはその辺りも把握していますから、組織の全容解明に動き出すと思いますが、この4人が供述に応じるのかどうかというところです。
飯田)供述するかどうか。
須田)おそらく、まったく応じないのではないでしょうか。完全黙秘の形になるかも知れません。その辺りの警察との綱引きが、今後の注目ポイントだと思います。
暴力団がマフィア化し、地下に潜ってしまう ~さらに国境を越えていく
飯田)警察も広域で各都道府県警察の刑事部長などを集め、威信をかけて対応する形になっています。
須田)暴対法や暴排条例によって、国内最大の犯罪集団である暴力団組織については、封じ込めが成功しつつあるのです。
飯田)暴力団については。
須田)警察白書によると、暴力団組員の数は激減の一途を辿っている。ところが、マフィア化するのではないかと言われています。つまり暴力団組員という肩書を外して、形の上では堅気になっているのだけれども、やっていることは暴力団組員と一緒という傾向ではないかということです。
飯田)地下に潜ってしまう。
須田)そうですね。地下に潜るのはいいのだけれども、さらにそれが国境を越えていく。
警察が腐敗するフィリピンやタイ ~営利誘拐も行うフィリピン警察
須田)今回の事件でもう1つの大きなポイントは、海外の腐敗した官僚組織、警察や法務省の管轄である入管です。こういうところは日本の基準から言うと、腐敗の限りを尽くしているのです。
飯田)日本の基準では。
須田)フィリピンでは、ドゥテルテ前大統領は反腐敗・反麻薬に動いたけれども、その刃が向かっていたのは警察なのです。フィリピン警察は営利誘拐なども行います。
飯田)警察がですか?
須田)そうです。そういう組織なのです。武器を持ち、権限を持っているわけですから。それが正義の実現のために使われればいいけれども、犯罪行為に手を染めれば余計、大きく利益を上げられるわけではないですか。
飯田)そうですよね。
須田)その辺りは社会環境もあるのでしょうけれど、どちらかと言うとマフィア化してしまったというのが実態です。フィリピンが珍しいのではなく、タイなどもそうですし、あるいは中南米でも同様の国はたくさんあります。
香港が資金の中継地点になっている可能性も
飯田)これだけネット社会になると、送金なども容易になりますからね。
須田)いいポイントです。今回のポイントとしては、日本国内で犯罪を起こす、あるいは薬物や銃器の売買をフィリピンで行う。ただ、資金が行き来しないと犯罪組織としては困るわけです。
飯田)資金が。
須田)一時ありましたが、愛人がフィリピンに持って行くというような、ハンドキャリーのような形は取りません。どうも香港が中継地点になっているのではないかということです。その辺りも明らかにしないと、全容は見えてこないでしょう。
飯田)やはり金を追うのは基本なのですね。
須田)基本です。
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