作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が2月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件について解説した。
大会組織委員会大会運営局の元次長らが逮捕
東京五輪・パラリンピックに絡む入札をめぐり、大会組織委員会大会運営局の元次長、森泰夫容疑者と広告大手「電通」元幹部の逸見晃治容疑者ら4人が、独占禁止法違反容疑で逮捕された。
飯田)2月8日に速報が出て、各紙が大きく報じています。東京五輪・パラリンピックから1年半余りが経ったところですが。
青山)電通に手を入れた。それだけではなく、同じ広告代理店の博報堂は逮捕まで至らず、電通に逮捕者が出ました。公平な言い方を心がけて申し上げますが、検察庁は明らかに政治家狙いですね。
飯田)その先、上の部分があるだろうと。
青山)電通と特定の政治家でしょうけれども。私のことで申し訳ないのですが、政治献金を全部断り、パーティーを一切やらず、団体支持も全部お断りし、後援会長もいない、後援会もつくらずにいると、電通とはまったく縁がありません。
検察の狙いは間違いなく政治家
青山)仕事を受注する過程もあるのでしょうね。電通と政治家とのつながりは以前から指摘されています。だからいろいろ噂があっても「特捜の手が及ばない」と言われていたのが、そこを突き破ったのです。
飯田)特捜の手が及ばないと言われていたところを。
青山)(一連の事件で)電通からの逮捕者が出たのは今回が初めてですから。実際に検察がそこまで届くかどうか、まだわかりませんけれど、狙いは間違いなく政治家だと思います。
シンクタンクを経営していた時代の経験 ~突然電通が入ってきて
青山)別に検察の捜査を絶対視して言っているわけではありません。あくまで最終的には、起訴されたら裁判で確定されることです。私は民間専門家の時代が長いので、電通に関して直接驚いたことがありました。
飯田)電通に。
青山)民間の専門家は利益のためではなく、国益のために動くわけです。シンクタンクを経営していましたけれど、民間会社から、例えば外交や安全保障、危機管理、国家の危機管理も行わなければいけない。
飯田)利益のためではなく。
青山)何でもお上任せだから日本は前に進めないので、民間として取り組んでいたのですが、仕事がないわけですよ。役所の競争入札に入れると、酷いところは1円入札して、私たちの動きを止めようとするのです。
飯田)1円入札して。
青山)はっきり言うと、いままでの日本のシンクタンクは、お上からもらう仕事で成り立ってきたのです。逆にお上に提案するようなところは潰さなければいけないから、潰しにかかるのです。
飯田)逆に提案するようなところは。
青山)それでも、私自身が一生懸命役所を歩いて、役所のなかにも徐々に理解者を育て、歩いて歩いて、やっと育てた。1000件に1件ぐらいの感じで、ようやく自分たちのやりたい仕事がくる。しかし突然、電通が入ってきたのです。
飯田)ようやくやりたい仕事ができたら。
青山)電通本社に行き、「入ってもらう理由がない。あなたたちの手を借りる必要はない」と言っているうちにわかったのですが、電通が間に入ったのに、電通は既にその仕事を下請けへ下ろしているのです。
飯田)そうなのですね。
青山)だから、目の前に電通の中堅幹部が2人いたのですが、仕事の中身もよくわかっていないし、とっくに下ろしてしまって話が噛み合わないのです。
かつての経験のなかでも見えた政治家の影
青山)私は7年前の選挙の途中で「独立総合研究所」というシンクタンクを完全に辞め、創業者株を無償で返上しました。ただ、そのときに電通が入ってきた過程で、おそらく政治家なのだろうなと。こちらは政治家もたくさん知っていますから、私なりに調査の手を入れていったら、やはり政治家の影がありました。
飯田)政治家の影が。
青山)今回もそういうことを根拠にして考えると、検察の狙いとしては、最終目標は政治家であって、少なくとも任意捜査では立件したいと思っているのでしょう。
飯田)検察としては。
青山)捜査は公正に行わなければいけないので、「札幌があるから」と言って、捜査の手を緩めてはいけません。ただ、残念なのは、再び札幌で清潔なオリンピックをやろうかと考えているときに、「こんな汚いことをしたのか」と感じるでしょうし、アスリートも思っているでしょう。それがショックですよね。
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