ガーシー氏「除名」も「もう1度当選したら除名できない」 佐々木俊尚氏が指摘

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ジャーナリストの佐々木俊尚が3月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。参院本会議で除名を宣告されたガーシー氏について解説した。

ガーシー氏「除名」も「もう1度当選したら除名できない」 佐々木俊尚氏が指摘

参院本会議でガーシー氏が除名処分で議員資格を失い、参院職員により氏名票が外された=2023年3月15日午前、参院本会議場 写真提供:産経新聞社

参院本会議でガーシー議員の除名を科す懲罰が可決

飯田)本日(3月15日)の本会議で、参院は国会欠席を続けるガーシー参院議員に対し、「除名」を科す懲罰を与野党の3分の2以上の賛成で可決しました。

佐々木)かと言って、もう1回当選したらもう除名できないですよね。政治家女子48党がガーシー氏を「もう1度出馬させる」という話もあるので、有権者の信託を受けた政治家を辞めさせるのは、そう容易ではないだろうと思います。

旧NHK党や参政党のような政党は、日本型ポピュリズムの最初の兆候なのではないか

佐々木)ガーシーさん1人の話だと「何を考えているかわからない人」というようなイメージかも知れませんが、旧NHK党や参政党のような政党は、日本型ポピュリズムの最初の兆候ではないかと思います。実際に、このような政治家を送り込めるくらい、多くの票を集めているではないですか。

飯田)そうですね。

佐々木)今後、どのぐらい勢力として伸びていくのか、かなり気になるところです。野党のなかで、例えば立憲民主党や共産党や社民党などは、ある意味、「20世紀型の野党」でしかなかった部分もあると思うのですよ。

飯田)20世紀型の野党。

佐々木)そうではない新しい野党の形をつくろうとしているのが、維新の会や国民民主党であって、より現実的な政策提案をしていく。それはそれでいいと思います。

格差が広がり、世論におもねったポピュリズム的な政党が出る可能性がある ~インターネットで人気を集めてスタートさせることが可能であることを示したガーシー氏の当選

佐々木)一方で原始的な政策提案ではない、より世論におもねったポピュリズム的な政党は、日本にはいまのところ存在しないわけです。しかし、日本が貧しくなっていき、格差も広がっていく状況のなかで、それが生まれてくる余地は相当あるのではないかと思います。

飯田)世の中に溜まったものがあり。

佐々木)ヨーロッパ、あるいはアメリカのトランプ前大統領のように。そこを掬い上げるのが旧NHK党であり、参政党だと考えると、ガーシーさん1人の問題ではない。「選挙制度をうまくハックして勢力を伸ばしていく」という方法を、旧NHK党はガーシーさんの当選によって示したわけです。

飯田)ガーシー氏の当選で。

危険な兆候の始まり

佐々木)YouTube発のような、インターネットで世論の人気を集めるところからスタートさせることが可能になったのは、面白いと言えば面白いのだけれど、危険な兆候の始まりである気もします。もう少し見守らなければいけません。

飯田)ガーシーさんの弁明も出てきていますが、「自分も登院していないけれど、他にも登院していない人はたくさんいる」というような指摘もあります。

佐々木)確かに言っていることは間違いではないと思います。

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