ジャーナリストの鈴木哲夫が5月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党の最大派閥「安倍派」の動きについて解説した。
自民党・各派閥の政治資金パーティーから見えてくるもの
飯田)ここ最近、自民党の各派閥の政治資金パーティーが行われていますが、ここからいろいろなことが見えてくるのでしょうか?
鈴木)俗にいま「主流3派」と自民党で言われているのが「岸田派」「麻生派」「茂木派」です。人によって言い方は異なりますが、大きく分けると「主流派」「反主流派」に分かれていると見ていいでしょう。
注目は最大派閥の「安倍派」 ~後継会長は誰になるのか
鈴木)各派閥いろいろありますが、いちばん注目されているのは、最大派閥の「安倍派」です。いよいよ、後継者を誰にするのだという話が水面下で出てきましたし、名前が挙がっている人たちもそれぞれ活発に動いています。
飯田)名前が挙がっている人たちも。
鈴木)言葉はよくありませんが、「仲間集め」のようなことをしたり、会合をしてみたりと駆け引きを行っています。
影響力のある森喜朗氏が安倍派のパーティーの途中であいさつせずに退席
鈴木)自分たちでは「俺が」となかなか決められないなかで、森さんが流れをつくるのではないかと言われています。
飯田)森喜朗さん。
鈴木)先日の安倍派のパーティーでも、前日までは「明日のパーティーで森さんが名前を出し、流れが決まるのではないか」と言う人もいました。これはもう言ってもいいと思うのですが、萩生田光一さんにと。
飯田)森さんは「萩生田さんに」と考えられていた。
鈴木)ところが、森さんは帰ってしまいました。
飯田)派閥のパーティーの途中で帰ったのですよね。
森氏が退席した意味をどう取るか
鈴木)「帰った」という事実をどう見るか。いかにも永田町的なのですが、「帰った」ということは、「ナーバスなことだから、森さんはまだ触れなかった」という見方もあります。しかし、「帰った」ということは「もうわかっているだろう」とも取れます。
飯田)もうわかっているだろうと。
鈴木)森さんはそのニュアンスで発言しているので、あえて存在感を示すために、森さんが帰ったのではないかという見方もあります。
飯田)なるほど。
鈴木)ただ、私が取材している限りでは、次の総裁選挙がありますよね。
飯田)総裁の任期は来年(2024年)の9月までです。
鈴木)ここへ向け、「安倍派」の派閥としてどうするのか。本当はやはり総裁候補を出さなくてはいけないわけですから、出すときに会長も含め、きちんと態勢を取る。ある程度、長いスパンで「来年の総裁選までにまとめるようにしよう」と言う人が少し多いような気がします。
飯田)あと1年くらい。
駆け引きがこれから続く ~本命が萩生田光一氏、西村康稔氏や下村博文氏、世耕弘成氏などが対抗馬に
鈴木)これは大きなポイントなのです。次の総裁選もそうですし、防衛や子育てなど、いまいろいろな政策がありますよね。そのなかで、「最大派閥がどのように考えて動くのか」によって流れが決まる可能性があります。政局も含めてですが、「安倍派がついたら決まるよ」ということになってくるわけですから。
飯田)100人ですからね。
鈴木)そういう意味では会長を決めずに、よくわからない「ただ人数だけがいる組織でいていいのか」という問題があります。
飯田)いつまでも集団指導体制的でいいのかと。
鈴木)そうです。ですので、その辺りの駆け引きがこれから続くと思います。本命が萩生田光一さんで、西村康稔さんや下村博文さん、世耕弘成さん辺りが対抗馬になるのではないでしょうか。
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