トランプ前大統領 核兵器の技術など「特別管理」情報も持ち出し

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数量政策学者の高橋洋一と防衛研究所・防衛政策研究室長の高橋杉雄が6月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自宅への機密文書持ち出しで起訴され、出廷したトランプ前大統領について解説した。

トランプ前大統領 核兵器の技術など「特別管理」情報も持ち出し

米オハイオ州デイトンの空港で演説するトランプ前大統領 2022年11月7日 AFP=時事 写真提供:時事通信社

トランプ前大統領が出廷

自宅への機密文書持ち出しで起訴されたアメリカのトランプ前大統領は、6月13日午後3時(日本時間14日午前4時ごろ)、南部フロリダ州マイアミの連邦裁判所に出廷した。トランプ前大統領は無罪を主張し、徹底抗戦の構えを強調した。

飯田)国防情報を不当に保持していたスパイ防止法違反や、司法妨害の共謀などの罪で起訴され、いろいろな写真も出てきています。

高橋洋一)すごいところに隠していましたね。

飯田)機密文書をバスルームなどに保管していたそうです。

退任したあとも機密文書を保持 ~自らの弁護士にも隠していた

飯田)核兵器や軍事力に関する情報も含まれていたようです。一般論ですが、こういう情報を持ち出せるものなのですか?

高橋杉雄)大統領であれば持ち出すことはあり得ます。在任期間中ならマー・ア・ラゴに持っていってもよかったのです。もちろん、それなりの措置を講じてですけれども。そういう意味では、あり得る話です。

飯田)在任期間中ならば。

杉雄)当然、大統領を退任したら返却しなければいけないのですが、保持し続けていた。辞めるときに持ち出したものもあるという話で、その上、自分の弁護士にも隠していたそうです。しかも機密取扱者調査を受けていない人物に文書を開示したということですから、通常では考えられない事案だと思います。

起訴されている37件すべてで無罪を主張

飯田)争点としては、機密を解除していないものを持っている。トランプ氏は「機密を解除するかは大統領が判断することだ。自分には(問題となっている)文書を保持するすべての権限がある」と言っているようですが、そんな理屈が通るものですか?

洋一)この手の話は、外形的にみんなが認めて、例えば帳簿に記載するようなことが必要だと思います。

飯田)トランプさん側は、起訴されている37件すべてで無罪を主張しています。

通常のシークレット情報とは違い、特別に管理されている情報もあった ~爆弾の仕組みなどに関わる情報

飯田)核兵器の情報と言うと、「日本も大丈夫か?」と思ってしまいます。

杉雄)核兵器の情報が含まれているということは、最初の段階から報道に出ていました。起訴状を見ると、「Formerly Restricted Dataというカテゴリーの情報が1件あった」と書いてあります。「Formerly Restricted Data(前は制限されていたデータ)」とは別に、「Restricted Data(制限されているデータ)」もあるのですが、基本的には核兵器の技術情報なのです。他にもありますけれど。

飯田)核兵器の技術情報ですか。

杉雄)つまり爆弾の仕組みなどに関わる情報で、海外に流出すると爆弾をつくられる可能性がある。または性能が推測される可能性があるため、普通のシークレット情報とは違い、特別に管理されています。

飯田)特別に管理されている情報。

杉雄)それが出ていたということで、かなりの衝撃を受けました。大統領がRestricted Dataを持ち出すことはないと思っていたのです。

飯田)それだけ大きな事件だったということかも知れません。

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