ジャーナリストの有本香が5月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田翔太郎秘書官の事実上の更迭について解説した。
私的に撮った公邸での忘年会写真 ~撮影は2022年暮れ
飯田)岸田総理の長男である岸田翔太郎首相秘書官が、6月1日付けで辞任することになりました。メールやツイッターでも(聴取者から)ご意見をいただいています。「有本さんもツイッターで発信されていましたが、行動そのものも問題だと思うのですけれど、何で流出したかがいちばんの問題だと思うのですよね。この政権の情報管理には違和感があります」といただきました。
有本)もちろん行動が問題なのですよ。行動が問題なのですけれども、首相公邸に招かれた人が階段で写真を撮ったりすることは、ままあることなのです。そこで寝そべっていたのはどうかと思いますが。ただ、問題は私的に撮った写真が流出していることです。「あれは本当にご親戚なのか?」という疑いもあるし、週刊誌の電子版が出たのは5月24日ですが、(写真が撮られたのは)2022年暮れの出来事ですよね。
飯田)そうですね。
発覚した時点ですぐに辞任するべきだった ~ワンテンポ遅れた
有本)だから、もっと前から持っていた可能性が高い。サミットを開催して支持率が上がり、「さあ、これから選挙か」というタイミングで「ポン」と出してきたわけです。しかも巷間言われているのは「もっと他にもネタがあるだろう」と。私はあれが発覚した時点で、すぐに辞めさせる決断をするべきだったと思います。ワンテンポ遅れた感じがあります。6月1日付けで辞めるのだけれど、賞与は受け取らないことで、できるだけ傷を浅くしたい考えでしょうね。
飯田)サミットそのものに関しては、世論調査などを見ても評価する声が6~7割ある。それだけにタイミング的には痛いところですか?
有本)そうですよね。
特定メディアの女性記者に翔太郎氏経由で情報が洩れていた過去も ~深刻な情報漏洩
有本)いままでご長男は総理と一緒に公邸に住んでいたけれど、今後はどうするのか。当然出て行くのでしょうね。
飯田)確かにそうですね。ご長男が秘書官に就任するときも、総理とざっくばらんにいろいろな話ができる人は必要だと言われていました。
有本)すぐ側にいた方がいいのでしょうけれども、どうするのか。当然出て行かれると思いますが。
飯田)耳の痛い話も含め、総理とちゃんと話せる人がいるのかどうか。長く一緒にやってきた秘書の方が、後任として今回復帰されるようです。
有本)岸田夫人は地元にいらっしゃいますからね。
飯田)基本的には。
有本)息子さんたちとは、総理に就任する前も一緒に住んでおられたのですよね。
飯田)総裁選のときに順番で料理と掃除を担当しているという報道もありました。
有本)議員宿舎でね。おそらく公邸を去るのでしょうけれども、公私混同してはいけないのもさることながら、情報が漏れているのは問題です。ご長男に関しては過去にも、特定メディアの女性記者に、ご長男経由で情報が漏れているのではないかという疑いがあった。情報が抜けるということは下手をすると国を揺るがしかねません。
飯田)有事に情報が抜ける可能性もあります。
有本)あり得ますし、むしろそこがいちばん深刻です。
国会議員への適格性審査は必要ないのか ~セキュリティ・クリアランスを法制化しようというなかで
飯田)適格性審査などの話も出てきますが、法律として、本当にそういうものが何もなくて大丈夫なのかどうか。
有本)そうですね。「セキュリティ・クリアランス(SC、適格性評価)」をいま法制化しようとしています。いろいろな民間人で実務、特に政府の機密に触るかも知れないので、適格者を決めたり、背景まで含め厳しくチェックするのは大事です。各国がやっていることですし、他国との共同のタスクフォースには必須になります。以前から思っていたのですが、国会議員にはそのようなチェックがありませんよね。
飯田)「国会議員だからOK」というようになってしまっている。
有本)有権者の負託を受けていると言いますが、基本的な資格を問わなくてもいいのでしょうか。
飯田)本来であれば秘密会で審議できるはずだけれど、抜けてしまうから秘密会そのものが開けない傾向になっていますよね。
有本)そうですね。
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