政治ジャーナリストの青山和弘氏が10月19日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。青山氏が岸田文雄首相の仕事ぶりを解説すると、辛坊は「岸田首相は、人の気持ちが全く分かっていないのではないか」と指摘した。
青山)岸田政権は今、かなりダッチロールしていて、いろいろな判断が遅れています。
辛坊)岸田首相は、自分の長男を首相秘書官に就けましたが、それでもダッチロールしているのですか。
青山)自分の息子が首相秘書官なったからといって、何かが劇的に変わるわけではありません。息子はもともと、首相公邸で岸田首相とずっと一緒に住んでいましたし、秘書としての立場で岸田首相の傍にずっといました。ですから、大きく何かが変わったという感じはありません。ただ、北朝鮮がミサイルを発射したときなど、呼び出しはしやすくなったでしょう。しかし、今の段階で何かがものすごく変わったということは全くないですね。
辛坊)「息子を首相秘書官にして、どこが悪い」という人も中にはいますけれども、世襲批判が政界にある中で、あからさまに息子を自分の下に置いたわけです。私見かもしれませんが、岸田首相は人の気持ちが分かりそうな顔をしていますし、人の気持ちが分かりそうな言動をしているはずなのに、もしかして人の気持ちを全く分かっていないんじゃないかと思えてしまいます。
青山)実は、岸田首相は周囲の人にそれほど相談をしない人なんですよ。ですから逆にいうと、息子を首相秘書官に就けることに関しても、周囲の人が止める機会がなかったということです。
辛坊)そうはいっても、小泉純一郎元首相ほど変わった人ではないのでは。
青山)変わった人ではないです。しかし、例えば安倍晋三元首相であれば、今井尚哉首相秘書官(当時)や菅義偉官房長官(同)と、用がなくても毎日、会って話すということを日課にしていました。それが大事なことだとして、決めていたんです。岸田首相はそうしたことはしないので、官僚が今、何をしているかが岸田首相に伝わっていなかったり、岸田首相の思いも官邸スタッフに伝わっていなかったりします。そういうことが最近、頻発しているんですね。
辛坊)では、岸田首相や周囲の人たちは毎日、首相官邸で何をしているのでしょうか。
青山)周囲の人たちは皆、それぞれ何かしているらしいです。バラバラに仕事をしているようです。岸田首相は岸田首相で、いろいろな人の表敬を受けたるなどしているのでしょう。とはいっても、スタッフとの密なコミュニケーションが、やはり一番大切ですよね。それが足りないんです。
そのために何が起きているかというと、例えば積み上げてきたことを岸田首相が急にやめてしまうことがあるわけです。事前にコミュニケーションを取っていれば、岸田首相のそうした雰囲気を周囲の人たちも分かったでしょうし、逆に官僚がしてきたことを岸田首相も分かったはずなのに、政策などを発表する当日まで岸田首相が知らずにひっくり返すような、ちょっと信じられない事態が起こっているんですね。
辛坊)大丈夫ですかね。
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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)