国際人道法を無視するロシアの「戦い方」 参考にする国が出てくる可能性も

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地政学・戦略学者の奥山真司が6月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ロシアの非人道的な戦い方について解説した。

国際人道法を無視するロシアの「戦い方」 参考にする国が出てくる可能性も

19.10.2022 Russian President Vladimir Putin chairs a meeting with members of the Security Council via a video conference call at the Novo-Ogaryovo state residence, outside Moscow, Russia. Sergey Ilyin / Sputnik SPUTNIK/時事通信フォト

非人道的なやり方で戦うロシア ~子どもを自国に連れ去り国際刑事裁判所がプーチン大統領に逮捕状を発行

飯田)ウクライナ情勢について伺います。ウクライナが反転攻勢に入りましたが、難しいところもあるようです。

奥山)気になるのは、ロシア側が非常にダーティーな戦い方をしていることです。私は2021年12月に出版された、『戦争の未来 人類はいつも「次の戦争」を予測する』という本を翻訳しました。著者は戦略研究の大家であるローレンス・フリードマンさんです。

飯田)ローレンス・フリードマンさん。

奥山)その方が言っているのですが、戦争での戦い方は、ロシアが行っているような総力戦スタイルと、アメリカやウクライナなどが行うような限定戦、軍と軍だけで戦うようなやり方の2つがあるということです。

飯田)2つある。

奥山)「ロシア側のやり方をもう1回見直してみよう」という論文を書いており、私も読みました。ロシアのやり方は、非人道的な手段を前面に押し出し、「国際人道法」のようなものを全部乗り越えて動きます。例えば子どもの連れ去りなど、戦争でやってはいけないようなことをしています。

飯田)そうですね。

奥山)子どもの連れ去り案件では、プーチン大統領が国際的に戦争犯罪を行っていると認定され、逮捕状も出ています。

飯田)国際刑事裁判所から訴追されています。

ウクライナ兵の捕虜がロシア軍から「去勢」される

奥山)最近出てきた話だと、ウクライナ兵の捕虜がロシア軍から去勢などの拷問を受けたという報道もありました。一種のジェノサイドというような状況になっています。

飯田)ジェノサイドであると認定されるような。

アメリカは精密誘導兵器を使い、被害を最小限に抑える努力を ~ロシアは精密誘導兵器を大量破壊に使用

飯田)相手の士気を削ごうとしているのですか?

奥山)そうです。テクノロジーの使い方にもロシアの特徴が出ています。軍事テクノロジーで言うと、ここ20~30年で「GPS」を使って精密誘導し、「なるべく被害を大きくしない」という方向に進んでいます。

飯田)GPSを使って。

奥山)いま、ニッポン放送のスタジオに3人いますが、飯田アナウンサーだけを狙って殺すことも可能なのです。

飯田)できるのですか?

奥山)精密誘導の究極を考えると、小さいミサイルを使えば可能です。

飯田)精密誘導で。

奥山)アメリカなどは精密誘導兵器を使い、これまで被害を最小限にしようとしてきた。しかしロシアは逆で、精密誘導兵器を大量破壊に使っています。例えば、シリアの第2の都市アレッポでは、精密誘導兵器を使って病院を爆撃しています。既にそれも戦争犯罪なのですが、いままさにそういうことをしている。マリウポリなどでも同じです。

飯田)ロシアは。

奥山)同じ1つのテクノロジーを取っても、まったく違う使い方であり、ロシアは非人道的な方向に使っています。我々日本は隣国なのですが、ロシアは「そういう相手に対してどう戦えばいいのか」ということを考えさせる存在です。本当に頭の痛い問題です。

ロシアのやり方を参考にする国も

飯田)ロシアのやり方を見て、参考にしてしまうような国もあるかも知れませんね。

奥山)もちろんあるでしょうね。

飯田)そうならないための抑止が、より重要になってくる。「起こしたらこうなってしまう」という事態に直面するわけですよね。

奥山)むしろそういう意味では、ロシアは逆に自分の首を絞めています。周りに異様な警戒感を与えているのではないでしょうか。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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