脆さが露呈した「ロシア国内の守り」 モスクワ目前で鎮まった「ワグネルの乱」

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ジャーナリストの有本香が6月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。武装蜂起してモスクワを目指したものの、目前で進軍を停止したワグネルについて解説した。

脆さが露呈した「ロシア国内の守り」 モスクワ目前で鎮まった「ワグネルの乱」

ロシア南部ロストフ州ロストフナドヌーにあるロシア軍南部軍管区司令部に立つ民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏=2023年6月24日 関連会社コンコルドが24日に投稿した動画より AFP=時事 写真提供:時事通信

モスクワまで200キロの地点で進軍停止したワグネル ~瞬く間に鎮まった「ワグネルの乱」

飯田)ロシアのワグネルによる反乱がありましたが、どうご覧になりますか?

有本)驚きましたね。

飯田)しかも、土曜日(24日)の朝になって「大変なことになっているぞ」と思っていたら、「あれよあれよ」という間に……。

有本)「ワグネルの乱」と言われていますが、モスクワまであと200キロというところまで行き、止まりました。乱が瞬く間に鎮まりましたね。

飯田)明智光秀でも3日天下だったのに。

有本)本当ですよ。「ひょっとしたら」という感じがありましたけれどね。

静観している中国 ~外務省談話では「ロシアの安定維持を支持」

飯田)各国の反応もさまざまでしたが、中国が反応を見せなかったのが不思議でした。

有本)そうでしたね。

飯田)6月25日になってようやく「ロシアの安定維持を支持」という談話を発表しましたが。

有本)外務省の談話ですからね。

飯田)外務省談話だと、レベルとしてはあまり高くないのでしょうか?

有本)静観しているという感じでしょうね。

中国もアメリカも事前に把握していたか

有本)ただ、中国は把握していたという話もありますし、アメリカも把握していたのではないかというような話もあります。

飯田)そのような報道も出ていますね。

有本)中国も知っていたのではないかと思います。

脆さが露呈したロシア ~正規軍であれば簡単にクーデターを起こすことができる可能性も

有本)「ワグネルが軍と対立している」という情報は報道されていました。

飯田)プリゴジン氏がさかんに怒鳴っている映像が出ていました。

有本)非常に怒っていることは伝えられていたので、各国がもう少し深い事情を把握していても不思議はないですよね。

飯田)しかし、これほど簡単に進軍できてしまうことには驚きました。

有本)意外にロシアは脆いところがあるのですね。

飯田)今回はワグネルという民間軍事会社でしたが、「これを正規軍がやったらどうなってしまうのか」と考えてしまいますね。

有本)そうですね。正規軍であれば簡単にクーデターができてしまうのかなと思います。あとは核の問題だけです。自国内で起きることに対して、それはさすがにないでしょうからね。

飯田)同胞に対して核を使うわけにはいかない。

有本)さすがにないですよね。ですから、それだけかなと思います。

飯田)アメリカなどが危惧するのは、プリゴジン氏が政権を獲った場合、核の管理が甘くなってしまうと。

有本)「どうなってしまうのだろう」ということです。ますます悪くなってしまうかも知れません。

ワグネルが活動する他地域への影響も

有本)その後は何事もなかったように、プリゴジン氏以外は持ち場に戻ったような感じですよね。

飯田)そうですよね。

有本)例えば中東やアフリカなど、ワグネルがこれまで活動していた地域がありますが、その地域は「いままで通り」という方向にいくのでしょうか。そこはウォッチする必要がありますね。

飯田)確かにシリアや、最近は紛争が起こっているスーダンなども、その影がちらつくという話が出ています。ロシアとウクライナの話だけではなく、いろいろなところに飛び火するかも知れません。

気になるロシアのなかのさまざまな民族の動き

有本)もう1つ私が注目するのは、ロシア内にいるいろいろな民族の人たちが、「ロシア後」を見据えたさまざまな動きをしていることです。それも気になります。

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