ジャーナリストの有本香が6月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。武装蜂起してモスクワを目指したものの、目前で進軍を停止したワグネルについて解説した。
モスクワまで200キロの地点で進軍停止したワグネル ~瞬く間に鎮まった「ワグネルの乱」
飯田)ロシアのワグネルによる反乱がありましたが、どうご覧になりますか?
有本)驚きましたね。
飯田)しかも、土曜日(24日)の朝になって「大変なことになっているぞ」と思っていたら、「あれよあれよ」という間に……。
有本)「ワグネルの乱」と言われていますが、モスクワまであと200キロというところまで行き、止まりました。乱が瞬く間に鎮まりましたね。
飯田)明智光秀でも3日天下だったのに。
有本)本当ですよ。「ひょっとしたら」という感じがありましたけれどね。
静観している中国 ~外務省談話では「ロシアの安定維持を支持」
飯田)各国の反応もさまざまでしたが、中国が反応を見せなかったのが不思議でした。
有本)そうでしたね。
飯田)6月25日になってようやく「ロシアの安定維持を支持」という談話を発表しましたが。
有本)外務省の談話ですからね。
飯田)外務省談話だと、レベルとしてはあまり高くないのでしょうか?
有本)静観しているという感じでしょうね。
中国もアメリカも事前に把握していたか
有本)ただ、中国は把握していたという話もありますし、アメリカも把握していたのではないかというような話もあります。
飯田)そのような報道も出ていますね。
有本)中国も知っていたのではないかと思います。
脆さが露呈したロシア ~正規軍であれば簡単にクーデターを起こすことができる可能性も
有本)「ワグネルが軍と対立している」という情報は報道されていました。
飯田)プリゴジン氏がさかんに怒鳴っている映像が出ていました。
有本)非常に怒っていることは伝えられていたので、各国がもう少し深い事情を把握していても不思議はないですよね。
飯田)しかし、これほど簡単に進軍できてしまうことには驚きました。
有本)意外にロシアは脆いところがあるのですね。
飯田)今回はワグネルという民間軍事会社でしたが、「これを正規軍がやったらどうなってしまうのか」と考えてしまいますね。
有本)そうですね。正規軍であれば簡単にクーデターができてしまうのかなと思います。あとは核の問題だけです。自国内で起きることに対して、それはさすがにないでしょうからね。
飯田)同胞に対して核を使うわけにはいかない。
有本)さすがにないですよね。ですから、それだけかなと思います。
飯田)アメリカなどが危惧するのは、プリゴジン氏が政権を獲った場合、核の管理が甘くなってしまうと。
有本)「どうなってしまうのだろう」ということです。ますます悪くなってしまうかも知れません。
ワグネルが活動する他地域への影響も
有本)その後は何事もなかったように、プリゴジン氏以外は持ち場に戻ったような感じですよね。
飯田)そうですよね。
有本)例えば中東やアフリカなど、ワグネルがこれまで活動していた地域がありますが、その地域は「いままで通り」という方向にいくのでしょうか。そこはウォッチする必要がありますね。
飯田)確かにシリアや、最近は紛争が起こっているスーダンなども、その影がちらつくという話が出ています。ロシアとウクライナの話だけではなく、いろいろなところに飛び火するかも知れません。
気になるロシアのなかのさまざまな民族の動き
有本)もう1つ私が注目するのは、ロシア内にいるいろいろな民族の人たちが、「ロシア後」を見据えたさまざまな動きをしていることです。それも気になります。
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