キャスターの辛坊治郎が7月3日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。日本学術会議(梶田隆章会長)の10月から新たに会員(任期6年)となる候補者105人の名簿案に、前回の2020年は推薦を受けた菅義偉首相(当時)が任命を拒否した候補者6人が含まれていなかったことについて、「本音は、これ以上もめたくないからだ」と解説した。
日本学術会議がまとめた新たな会員候補者の105人に、2020年に当時の菅義偉首相が任命を拒否した6人が含まれていないことが3日、分かった。次の候補者に加えると、政府が任命拒否した方針を追認することになるのが理由だ。
辛坊)日本学術会議を巡ってはもともと、「左派系、反政府系の学者が既得権益のように次の会員を指名し、指名された会員が政治活動をする場になっているのではないか」という指摘が、自民党保守派から上がっていました。しかも、学術会議には政府の予算が充てられているため、「政府が人事をコントロールしないのはおかしい」といった議論も行われてきました。
このように長年くすぶっていた問題に、メスを入れたのが当時の菅義偉首相です。前回の2020年は会員候補者の推薦を受けた菅氏が、6人の任命を拒否しました。この6人が今回の会員候補者に含まれていなかったというのが、このニュースです。
学術会議の会員は計210人で、3年ごとに半数ずつ改選されます。ですから、この6人については、学術会議の立場からすると「引き続き(20年から6年間の任期である)会員候補者だ」ということになります。要するに、会員候補者として「生きている」状態なのです。
このため、今回の会員候補者にこの6人を含めると、前回の政府による任命拒否を学術会議が受け入れたことになってしまいます。この6人については、今回の会員候補者105人とは別に、引き続き政府に任命を求めていくということです。
ただ、これはあくまでも表向きの理由です。本音で言うと、学術会議としてはこれ以上もめたくないのだと思います。今回の会員候補者の中から再び何人かが任命を拒否されると、また同じ騒動になってしまいます。そのとき、「政府の予算を切るから、あとは勝手にやれ。誰が会員になろうが、政府は関与しない」と言われるのが、学術会議としては最も困るという背景があります。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)