キャスターの辛坊治郎が7月5日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。政府が今夏に目指す東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を巡り、国内外から安全性を疑問視する声があがっていることについて、「私が原発担当相なら、処理水を全世界のメディアの前で飲む」と語り、政治家のパフォーマンス不足に苦言を呈した。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、日本記者クラブで会見を行い、東京電力福島第1原子力発電所から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出の計画について、「国際基準に適合するとの結論に至った。環境への影響は無視できる水準だ」と述べ、国際的な安全基準に合致しているとする包括的な報告書を公表した。これを受け、韓国政府は5日、「尊重する」という姿勢を表明した。また、中国外務省は「IAEAの報告書が海洋放出の通行証とはならない」と強く反発し、何らかの報復措置を取る可能性を示唆している。
辛坊)今回の処理水の一件で、トリチウムに注目が集まっていますが、福島第1原子力発電所の事故以前にも、稼働中の原発の冷却水にはトリチウムが含まれていました。しかも、危険がないということで、原発の周辺の海では平気で魚釣りが行われてきました。ほとんどの人が、そのことを知らなかったのは、政府などが長年、積極的に広報をしてこなかったからです。
こういうときこそ、政治家にパフォーマンスが必要なのだと私は思いますよ。処理水は安全なんです。人体に影響ないんです。かつて、病原性大腸菌O157を巡る風評被害が起きた際、菅直人厚生相(当時)がカイワレ大根を食べて安全性をアピールするパフォーマンスをしました。私は、そうした政治家のパフォーマンスは大嫌いです。しかし今こそ、パフォーマンスが必要です。そのために、政治家は存在しているのではないですか。
私が原発担当相なら、処理水を全世界のメディアの前で飲みますね。安全なんですから。今こそ、パフォーマンスをすべきなのに、処理水の放出時期について「海水浴シーズンは避けたほうがよい」と公明党の山口那津男代表は発言しました。これでは、逆に風評被害を招きますよ。「安全だ」と主張するからには、全世界に納得してもらう努力は必要です。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)