ASEAN外相会議 南シナ海行動規範が焦点とされるが「何も決まらないだろう」

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数量政策学者の高橋洋一が7月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。インドネシアで開催されたASEAN外相会議について解説した。

ASEAN外相会議 南シナ海行動規範が焦点とされるが「何も決まらないだろう」

中国の習近平国家主席(中国・北京)=2023年6月19日 AFP=時事 写真提供:時事通信

ASEAN外相会議

東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議がインドネシアの首都ジャカルタで始まった。日本、アメリカ、中国、ロシアなどの関係国が参加する一連の会議も含め、7月14日までの4日間行われる。11日、外相会議の終了後に発表する共同声明の原案が明らかになった。中国と南シナ海行動規範(COC)の策定に向けた指針を採択することが明記された。

COCが1つの焦点とされるが

飯田)COCが1つの焦点とされていますが、中国としては、個別具体的にそれぞれの国を撃破したい思惑があり、ASEANが一体となることに関し、かつては難色を示していました。「波高し」というところでしょうか?

高橋)普通に考えると国際法の原則があるのですが、仲裁裁判所の判断を「無効な紙くずだ」と言った国ですからね。

飯田)中国はそうですよね。南シナ海のパラセル諸島やスプラトリー諸島の岩礁を埋め立てて、滑走路をつくってしまった。岩であって島ではないため、領土ではないと仲裁裁判所に言われたのですが。

高橋)無視ですよね。「国際法の原則で」と言っても。

飯田)ただ、それは法の支配とは逆行する話ですよね。

何も決まらないのでは

高橋)「国際法をつくるのは自分たちだ」と思っているのです。だから覇権主義なのです。外相のなかで話し合いをするだけ、まだいいのかも知れません。日本とアメリカと中国とロシアが一緒でしょう?

飯田)そうですね。

高橋)でも、リトアニアでのNATO首脳会議には中国もロシアも参加していませんよね。

飯田)そうですね。

高橋)首脳会議ではありませんが、外相だけでも会議があるのは、まだいいのかなと思います。

飯田)一応、話し合いのテーブルまで出てくる。

高橋)ロシアも中国も出てくるのだから、まだいいと。ただし、何も決まらないでしょうね。

飯田)違いがあるということをお互いに認め合うことになる。

高橋)そうするとNATOのような西側にしか頼れなくなります。「国際法の原則では」などと言うけれど、要するに力が優先されてしまうのではないでしょうか。

日本からは林外務大臣が出席

飯田)中国は秦剛外相が体調不良を理由に欠席し、格上の外交を統括する王毅政治局委員が出席する予定です。王毅さんはもともと外相を務めていました。日本からは林外務大臣が参加します。王毅さんと岸田さんは以前、激論したことがあるようですが。

高橋)林さんは激論するのでしょうか。あまり聞いたことがありません。中国に日本人の製薬会社の社員が拘束されましたが、早く返してくれないと困りますよね。

飯田)林さんが4月に中国を訪問した際、「返してもらうために行く」という話もありましたが、特に進展しなかったようですね。

高橋)「早く返せ」と言わなければいけません。

飯田)邦人が10人以上拘束されていると言われます。これではビジネスはできないですよね。

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