戦略科学者の中川コージ氏が9月7日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。インドの首都ニューデリーで9、10の両日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の直前情報について現地からリポートし、中国の習近平国家主席が欠席することになった理由について、「国境紛争問題を抱えているインドに花を持たせたくないからだ」と解説した。
中国外務省はインドのニューデリーで9、10の両日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に李強首相が出席すると発表した。習近平国家主席は欠席する。また、アメリカのバイデン大統領との会談は、11月にアメリカで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議まで持ち越しとなる見通しだ。
中川)外交として急に決まったことなので、欠席の理由は誰にも分からないと思います。その大前提に立ったうえでの推察をお話しします。結論から申し上げると、インドとの国境紛争問題を抱えている中国としては、相手国のインドに花を持たせたくないという思惑があるのだと思います。
中国国外へのメッセージとしてもそうですが、中国国内に対しての習近平指導部としてのメッセージでもあると思います。つまり、国境紛争の相手国であるG20首脳会議の議長国のもとに国家主席が自ら出向くというのは、中国が下手に出ているような印象を中国国民に与えてしまうことを避けたいという考えです。中国人民に対するナショナリズムのアピールとして、出席は控えようと考えたのだと思われます。
また、上海協力機構(SCO)やBRICSでは中国が舵を握れていますが、G20では握れません。ですから、裏からも手を回せないし、下手に出るのも嫌だということから、出席する意味はなかった、もしくは出席しないほうがいいだろう考えたと思われます。
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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)