120%の成功確率がなければ、中国は台湾を侵攻することはない
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日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が9月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。台湾周辺で103機の活動が確認された中国の軍用機について解説した。
台湾周辺に103機の中国軍機 ~軍事的併合に向けての訓練の一環
飯田)台湾周辺で過去最多となる中国軍機延べ103機の活動が確認されました。台湾メディアなども大きく報じています。この数は不穏な感じがするのですが、いかがですか?
秋田)マスコミはこのようなことが起きると、「なぜこの時期にこのようなことをしたのか」とタイミングや意図などを分析します。ただ、習近平氏は着々と2027年までに台湾を軍事的に併合する準備を整えるよう命令を出しており、アメリカのCIA長官はその証拠もあると公言しています。それに向けた準備・訓練の一環だと思います。
飯田)タイミングを意図しているというよりは、準備が整ったら演習するということですね。
命令が出れば実行できる体制を整える演習計画が決まっている ~そこにプラスして米下院議長が訪台した際などに臨時で行う
秋田)そのようなラインが基本で、逆に言えば、台湾が挑発しようがアメリカが何かしようが、2027年までの基本的な訓練スケジュールはもう決まっています。攻撃すると決めているわけではないのですが、命令が出たら実行できるような体制を整える演習計画は決まっていると思います。
飯田)命令が出たら実行できるように。
秋田)それにプラスして、米下院議長が台湾に行くなど、中国が怒るようなことをやれば臨時に、もしくは既に計画されていたものを前倒しするなどして行っているのが現状だと思います。
飯田)大きな方向性は決まっていて、あとは出し引きのようなものがあるくらいですか?
秋田)そうですね。
120%の可能性がなければ中国が台湾を侵攻することはない ~「中国の一部だ」と言っているのに失敗すれば共産党体制が崩壊しかねない
飯田)大きな方向性に向かって動き出しているとすると、周りの国々がそれを止めるのは可能なのでしょうか?
秋田)中国は100%の成功率では台湾に侵攻しないと思います。失敗した場合、共産党体制が崩壊しかねません。プーチン政権はこれだけウクライナ侵攻で失敗していてもまだ崩壊していませんが、「台湾は完全に中国の一部であり台湾省なのだ」と言っておきながら、それを取りに行って負けてしまったら、おそらく共産党体制は崩壊しかねません。120%の可能性がなければできないのです。
日米で協力して120%の可能性を99%にすればいい
秋田)そうすると、我々は120%を99%以下にすればいいのであって、0%の可能性に変える必要はありません。
飯田)99%以下にすればいい。
秋田)日本がアメリカともっと協力する、あるいはオーストラリアも関与するなど、いろいろなことをやれば、中国の計算が不安定になり、120%と思っていたものが99%になる……そのようなゲームが、いま各国で進んでいるのだと思います。
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