「仮想ドラフト」でわかった! 1巡目・2巡目指名有力の選手はこの24人!

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議と、ドラフト指名有力候補にまつわるエピソードを紹介する。

【東都大学野球】<国学院大対亜細亜大>試合に敗れ引き揚げる武内夏暉(左から2人目)ら国学院大ナイン=2023年10月17日 神宮球場 写真提供:産経新聞社

【東都大学野球】<国学院大対亜細亜大>試合に敗れ引き揚げる武内夏暉(左から2人目)ら国学院大ナイン=2023年10月17日 神宮球場 写真提供:産経新聞社

いよいよ、プロ野球ドラフト会議の開催が目前に迫ってきた! 昨年(2022年)は「異例の9球団事前公表」で注目を集めたが今年(2023年)は一転、23日時点で公表したのは「青学大の常廣羽也斗」とした広島カープのみだ。

各球団、なかなか公表しきれないのは、高レベルの大学生投手がひしめき合う状況だからだろう。今年のドラフトでは東都大学リーグの7人の投手に注目が集まり、「東都神7」や「東都7人衆」「東都ドラ1セブン」などさまざまな表現がメディアを賑わせている。

そしてドラフト前、同じようにメディアで賑わいを見せるのは「仮想ドラフト」だ。そこで今回、ドラフト事情や指名候補選手の情報に定評のある野球専門誌『野球太郎』で先日実施された「極私的仮想ドラフト2023」のイベントを取材。野球太郎読者が「12球団のスカウト役」をそれぞれ担当し、「その球団が欲しい選手」「補強ポイント」を踏まえて指名選手を指定。競合すれば本番さながらにくじ引きもする条件で実施した、まさにドラフトシミュレーションだ。そこで浮かび上がった1巡目、2巡目の上位24人の顔ぶれをここで紹介したい。

もちろん、あくまでも「仮想」であり「予想」と言えるが、熱心な野球読者が注目する逸材、という点では本番のドラフトを楽しむ上で大いに参考になるのではないだろうか。なお、このイベントではニッポン放送のドラフト中継解説でもおなじみ、野球ライターの菊地高弘氏が解説役を担当。その選手評もいくつか紹介したい。

■1巡目指名予想! 一番人気は武内夏暉

上述したように、東都リーグの7人の投手【西舘勇陽(中央大)、常廣羽也斗、下村海翔(青学大)、武内夏暉(国学院大)、細野晴希(東洋大)、草加勝(亜細亜大)、西舘昂汰(専修大)】に注目が集まる今回のドラフト。一方、高校生ではU-18W杯でも活躍し、「世界一の胴上げ投手」になった前田悠伍(大阪桐蔭高)が話題だ。結論から先に書くと、「仮想ドラフト」でもこの8人の投手たちへの競合指名が相次いだ。

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<1回目の1巡目指名(※仮想)>
3球団競合指名……武内夏暉(国学院大)
2球団競合指名……常廣羽也斗(青学大)、西舘勇陽(中央大)、細野晴希(東洋大)、前田悠伍(大阪桐蔭)
単独1位指名……廣瀬隆太(慶応大)

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野手指名を狙いにきた1球団以外、11球団が投手を指名と予想。結果的にはまず5人の投手が競合することとなった。ちなみに、単独指名予想が出た野手とは、東京六大学で19本塁打を記録したスラッガー、廣瀬隆太(慶応大)。左の好打者なら他にもいるが、右の大砲が補強ポイントとなると候補が少ない、と言える。

この状況に「11球団の重複は予想外でしたが、2、3球団ずつばらけるのはありえそう。その意味でとてもリアリティがある指名です」と語ったのは菊地解説員。このように、今回は1人の選手に殺到するのではなく、分散型競合のドラフトになりそうな予感だ。

一番人気となった武内について、菊地氏は「武内投手は細野投手や常廣投手に比べると見栄えがするわけじゃない。でも、バッターからするととても速く見える。その辺の実用性のよさを評価するのは、玄人好みをする『野球太郎』読者らしい指名ですね」と考察した。

■野手最多競合は……

1回目の抽選を終えたあと、いわゆる「外れ1位」以降の展開はまとめてご紹介したい。

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<2回目の1巡目指名(※仮想)>
4球団競合指名……度会隆輝(ENEOS)
単独1位指名……上田希由翔(明治大)、西舘昂汰(専修大)

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<3回目の1巡目指名>
2球団競合指名……古謝樹(桐蔭横浜大)
単独1位指名……下村海翔(青学大)

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<4回目の1巡目指名>
真鍋慧(広陵)

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1回目の指名を外した球団のうち、何と4球団が昨年の都市対抗で三冠王(橋戸賞、若獅子賞、打撃賞の同時受賞)に輝いたENEOSの度会隆輝の指名に殺到した。

この度会について、菊地氏は「栄養ドリンクみたいな選手。見ているだけで元気をもらえるハツラツさ。こういう選手に入場料を払いたい、と思わせるアマチュア野球の太陽のような存在です」と、技術面以外のキャラクター性でも注目度は高い、と紹介した。

また、3回目の1巡目指名(いわゆる外れ外れ1位)では、サウスポーの古謝樹を2球団が競合。菊地氏は「個人的には古謝投手をとても評価しているので、外れ外れ1位まで残っているのは予想外。まだまだポテンシャルの底を見せていない投手です」と解説してくれた。

では、改めて今回「仮想1位」として名前が出た選手12名を振り返りたい。

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・大学生投手……武内夏暉(国学院大)、常廣羽也斗、下村海翔(ともに青学大)、西舘勇陽(中央大)、細野晴希(東洋大)、古謝樹(桐蔭横浜大)、西舘昂汰(専修大)
・大学生野手……廣瀨隆太(慶応大)、上田希由翔(明治大)
・高校生投手……前田悠伍(大阪桐蔭高)
・高校生野手……真鍋慧(広陵高)
・社会人野手……度会隆輝(ENEOS)

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さらに、2位指名(※仮想)で挙がった選手名は次の通り。

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・大学生投手……岩井俊介、松本凌人(ともに名城大)、高太一、上田大河(ともに大商大)、草加勝(亜細亜大)、村田賢一(明治大)、滝田一希(星槎道都大)、尾崎完太(法政大)
・大学生野手……宮崎一樹(山梨学院大)
・高校生投手……東松快征(享栄高)、木村優人(霞ヶ浦高)
・高校生野手……横山聖哉(上田西高)

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もちろん、これはあくまでも「野球ファンによる指名予想」であり、競合した場合のクジの結果如何ではまったく違う内容になる可能性は多いにある。それでも、ここで紹介した24選手が上位候補であることは間違いないだろう。

実際には誰が上位で指名され、どんな抽選のドラマが生まれるのか。10月26日のドラフトから目が離せない。

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