神田財務副大臣が辞任 それでも「岸田政権が崩れない」2つの理由
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日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が11月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。神田財務副大臣の辞任について解説した。
神田財務副大臣が辞任、税金滞納で事実上の更迭か
税金滞納が報じられていた自民党の神田財務副大臣は11月13日、辞表を提出し、持ち回り閣議で受理された。事実上の更迭とみられる。10月下旬以降、第2次岸田再改造内閣の政務三役が辞任するのは3人目。
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飯田)神田さんは財務副大臣でしたが、一方では税理士でもあります。税理士が税金滞納というのは驚きますね。
各派閥に配慮した組閣だった第2次岸田再改造内閣 ~ピックアップする際、細かくフィルターを掛けてチェックしたのか
秋田)いろいろと「お粗末だな」と感じますが、一歩引いてみると、副大臣・政務官人事を決めたとき、女性が1人もいないことが話題になりました。
飯田)なりましたね。
秋田)今回、組閣および副大臣・政務官人事については、派閥にかなり配慮した形で決めていったのだと思います。世間にアピールするという意味では、例えば外務大臣に女性の上川陽子さんを据えています。
飯田)林芳正さんから。
秋田)基本的には、来年(2024年)の総裁選前に謀反を起こすような派閥がないよう、配慮するところから決めていったのだと思います。そうしたなかで、派閥が挙げてきた希望リストから副大臣・政務官をピックアップする際、バックグラウンドに関してどこまで細かくフィルターを掛けてチェックしたのか。そこが今回、問われている問題だと思います。
厳しい基準で各派閥から厳選していれば連続辞任はなかった
秋田)いまの布陣が緩いフィルターのなかで組まれているとすると、これだけでは終わらないかも知れない。もしくは発覚しないにしても、「体制としてどうなのか」と感じさせる一件だと思います。
飯田)また、辞めた3人が3人とも、自分の職務の所掌と見事にバッティングする。財務副大臣が税金を滞納して、法務副大臣が公選法違反を問われ、文科政務官が女性との不適切な関係を報じられた。「そこに就けるのはよくない」と指摘するような人は、誰もいなかったのでしょうか。
秋田)逆に、「この人は能力も実績もありそうだから、ぜひこの人にやって欲しい」という基準で各派閥から厳選していれば、ここまでの連続辞任はなかったのかも知れません。いま起きていることは結果であって、問題の原因ではないと思います。
各派閥からの推薦を受けた上で、細かいところまでは調べ切れていない可能性も
飯田)派閥順送り人事のようなことは、20~30年前は当たり前のように行われていたと思いますが、当時でも身体検査はきちんとしていたのでしょうか?
秋田)身体検査は当然していますし、今回もしたと思います。ただ、黒や白ではなく、グレーな世界もあるでしょうから、それは出てこない場合もある。結局、派閥に配慮して「どうしてもこの人は入れてくれ。この人は非常に優秀だから」と言われている場合、調べはするものの、細かいところまでは調べ切れていないかも知れませんね。
それでも岸田政権の安定感が崩れない2つの理由
飯田)週末ごとに世論調査が行われますが、直近の産経・FNN合同世論調査では、内閣支持率が急落して27.8%という数字も出ています。日経も含め、各社の調査では軒並み支持率が下がっています。
秋田)しかし、これまで言ってきたことと矛盾して聞こえるかも知れませんが、岸田政権は盤石ではないけれど、意外と安定度が崩れているとは思いません。
飯田)崩れていない。
秋田)2つの理由があります。1つは、確かに岸田さんは「何をしたいのかわからない」というようなことで、支持率が下がっています。しかし、自民党の政党支持率が野党と並ぶようなところまで下がっているかと言うと、最大野党の立憲民主党や日本維新の会などと比べても、自民党の政党支持率の方が高いのです。また、党内で岸田さん下ろしが起きるときは、派閥が離反します。いまで言うと茂木派などが離反して、「次はこの人に変えよう」となるでしょう。
飯田)岸田下ろしとなれば。
秋田)ところが、茂木敏充さんは幹事長であり、「自分は明智光秀にはならない」と言っていますし、河野太郎さんは大臣ですよね。
飯田)デジタル大臣を務めていますね。
秋田)そのような意味では、すぐに謀反が起きづらい体制なのだと思います。
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