岸田政権 「内閣支持率」が「自民党支持率」を下回る異常事態に

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ジャーナリストの須田慎一郎が11月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。東京地検に告発状が提出された自民党5派閥の過少記載について解説した。

2023年11月17日、リーダーズリトリートに出席する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/17usa.html)

2023年11月17日、リーダーズリトリートに出席する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/17usa.html)

自民党5派閥の政治団体、政治資金規正法違反容疑で告発

自民党の5つの派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に記載していなかった疑いがあるとして、告発状が提出され、東京地検特捜部が各団体の事務担当者らへの任意の事情聴取を進めていることがわかった。総額は約4000万円に上る。

飯田)関係者への取材で明らかになったそうですが、安倍派、二階派、茂木派、麻生派、岸田派に告発状が出されています。

須田)告発状を提出した上脇博之さんは、各政治団体・派閥だけではなく、個々の政治家に対しても1円単位で情報開示を求めています。

「政治的な思惑で政権与党を攻撃しよう」という意図があることも意識しなければならない

須田)政治活動の一環というところを加味したとしても、もちろん政治資金規正法違反に当たる可能性があります。各派閥はきちんと法律に則った報告書をつくらなければいけないことは間違いありません。

飯田)過少記載などせずに。

須田)その一方で、東京地検特捜部も意識する必要があるのは、これが政争の具になっていることです。「政治的な思惑で政権与党を攻撃しよう」という意図がある。ただし、形式としては違反しています。それについてはきちんと対処しなければいけませんが、「背景にある意図」もきちんと理解しなければいけません。

特に政治資金の入りについては法律に則って報告するべき

飯田)林芳正前外相が11月19日のフジテレビの番組で、「しっかりと確認し、適切に対応するべきだ。そうしているとの報告も受けている」と発言しています。各派閥もそれに対応しているということです。

須田)訂正すべきところは訂正する。特に政治資金規正法は、入りと出を考えると、入りに関して規正する法律なので、きちんと法律に則って報告するべきだと思います。

財務省・国税庁は神田憲次財務副大臣の税金滞納を把握していたはず

飯田)政治と金の話となると、東京・江東区の区長選挙をめぐる公選法違反事件で柿沢前法務副大臣が辞任しましたが、岸田政権は最近いろいろとスキャンダルも出ています。

須田)特に神田憲次財務副大臣のケースは税金滞納で、しかも財務副大臣というポストに就任していたわけです。税金滞納なので、財務省・国税庁サイドは間違いなく状況を把握していたはずです。

飯田)財務省・国税庁サイドは。

須田)特に副大臣や政務官については、今回の場合だと神田さんを送り出した清和会(安倍派)が身体検査を行わなければいけません。そこから漏れたのであれば、政権的にもリスクになるので、特別な場合には官邸サイドがふるいにかける必要もあります。なぜ財務省・国税庁は、官邸サイドに「この人は税金滞納を繰り返している悪質な人だ」という情報を入れなかったのか、事前に身体検査を行わなかったのか……。財務省サイドの思惑が解せません。

「いよいよ財務省も倒閣に動き始めたのではないか」という見方が永田町で広がる

飯田)今回の副大臣と政務官の人事については、「派閥からの推薦をほぼそのまま受けたのではないか」と報じられています。それにしても、一応は身体検査を実施するのですよね?

須田)これが表に出たら更迭しなければならず、政権にとってもダメージになります。穿った見方かも知れませんが、永田町では「いよいよ財務省も倒閣に動き始めたのではないか」という見方があり、「税金滞納の事実を意図的に上げなかった」という見方も広がっています。

反旗を翻したようにしか見えない自民党・宮沢税調会長の「減税は1年限り」発言

飯田)岸田さんは税収増を「減税で還元する」と言っていましたが、財務大臣まで「税収増分は既に使ってしまった」などと言って、梯子を外されましたよね。

須田)加えて、自民党の宮沢洋一税調会長は、総理総裁がまだ言ってもいないのに「減税は1年だけ」と言っています。自民党の税調と言えば「泣く子も黙る」と言われてはいますが、結果的には政務調査会の下にいる、部会の一部会長です。それがなぜ先手を打って「1年だけだ」と決めてしまうのか。どのような権限があるのか。その辺りを考えると、「反旗を翻した」ようにしか見えません。

内閣支持率が政党支持率を下回る

飯田)直属の上司のような萩生田政調会長も、テレビ番組のなかで「1回だけかどうかは決まっていない」と言っていたのに、そのあとまるで決まったかのように……。

須田)政府・与党内が、著しく整合性を欠いているのではないかと思います。

飯田)各世論調査の支持率を見ても、低下が目立っています。

須田)驚いたのは共同通信の世論調査です。内閣支持率よりも、自民党支持率の方が上回ってしまっている。通常は内閣支持率が政党支持率を上回るケースが多く、それが政権のプレミアムと言われています。内閣支持率が政党支持率を上回っていれば、岸田さんが政権を運用する大義名分足り得るので、解散を打っても「岸田さんが総理総裁だから当選できる」となるのです。しかし、それが逆転してしまった。異常なことが起きているのです。

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