今後も「付かず離れず」が続く中国とEUの関係

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戦略科学者の中川コージが12月5日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国とEUの関係について解説した。

中国の習近平国家主席(中国・陝西省西安市)=2023年5月19日 EPA=時事 写真提供:時事通信

中国の習近平国家主席(中国・陝西省西安市)=2023年5月19日 EPA=時事 写真提供:時事通信

中国・EU首脳会議が12月7日に北京で開催

飯田)欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン委員長が、北京で習近平国家主席と会談すると報じられました。「北京詣で」のようなことが続いているのでしょうか?

中川)EUとの関係は付かず離れずという感じです。この間も自動車関連の規制でやり合っていましたが、EUも政治的には中国に厳しい姿勢を見せなければなりません。一方で、経済的には中国市場を捨てることはできないわけです。今回、ウクライナ情勢が起き、EUとしては中国も外せない部分がありますし、中東の問題も起こっているなかで、ある意味では中東問題から外れている中国というプレイヤーを遠ざけるわけにはいかないでしょう。

飯田)中国を遠ざけることはできない。

中川)EU側はその辺りの二面性を出しつつ、付き合わなければいけない。中国側としても当然、米中対立の問題もあるので、いままで通りEUを引き寄せておきたい。それぞれ思惑があるのですが、接近する動機は十分にあるという感じです。

ネタがなくなるとEUから人権問題が出る

飯田)少し前までのEUは、人権の話などで拳を振り上げている印象がありました。ウクライナ情勢のなかで、「振り上げてばかりもいられない」というような台所事情があるのですか?

中川)どちらかと言うと、ネタがなくなると人権の問題が出る気がします。ベースに人権があるというよりも、ベースには経済協力があり、国際情勢など、外交的なところでの駆け引きがある。とりあえず何もない空白のときに人権問題がよく出る印象です。

飯田)そういうときにカードとして切り、1つ何かを取ろうという考えなのでしょうか?

中川)経済的につながっているのであれば、EU側としては「人権についてもきちんと叩いておく必要がある」という感じなのでしょう。「先に人権が出てきているかどうか」は、いままでの傾向を見ているとそんなにないですね。

飯田)一帯一路の列車は動き続けているわけですからね。

中川)もちろん一帯一路も対外政策ではあるのですが、経済的な不調という中国自体の理由から、最初の5~10年のような積極性はないですね。

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