ジャーナリストの須田慎一郎が1月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政府が「非常災害」への指定を決定した能登半島地震について解説した。
能登半島地震、政府が「非常災害」への指定を決定
政府は1月19日の閣議で、能登半島地震を大規模災害復興法に基づく「非常災害」に指定することを決定した。非常災害に指定することで被災した自治体が管理するインフラの復旧作業を国が代行できるようになる。
飯田)発災から3週間となりました。激甚災害指定などさまざまありますが、今回は「非常災害」の指定になります。
須田)やはり復旧工事をスピーディーに進めたいのだと思います。奥能登に至る自動車専用道路が走っているのですが、19ヵ所にわたって寸断している状況にある。幹線道路が復旧しないと、奥能登へ物資や人をスムーズに運べません。そのため、国が前面に出る必要があると判断したのでしょう。
飯田)法律面では、県が管理する道路と国が管理する道路があり、平時は棲み分けされています。それを乗り越えるためには、指定を変えなければいけない。
東日本大震災のときは東北自動車道があったが、太い幹線道路がなく緊急車両が通りにくい
須田)今回の地震の復旧・復興を進める上で最大のネックは、道路がまったく使い物になっていない状況です。もともと過疎地域ですから、それほど多くの幹線道路があるわけではありません。そのため緊急車両が通りにくくなっている。東日本大震災の場合は、動脈となる幹線道路が残っていましたからね。
飯田)東北道が残っていました。
須田)当時は海岸へ向けて垂直にと言うか、くしの歯のように道路の復旧がスムーズに進んでいったのですが、能登はそうなっていない。加えて金沢市にある石川県庁から、最も奥の珠洲市までは約130キロあるのですよ。我々がイメージしている以上に距離があり、道路の必要性を感じます。
飯田)私も発災直後の1月5~7日ごろ、金沢を拠点にして珠洲まで取材に行ったのですが、「平時でも2~3時間掛かる」と言われていたところ、6時間ぐらいかかりましたからね。道路の混雑等々で、1つ幹線が潰れると甚大な影響を与える。それを何とかしなければいけませんね。
港湾の復旧もスピード感が求められる
須田)中長期的に見ると、今回の地震の特徴は海岸線が大きく隆起しており、港湾が使い物にならないような状況です。復旧が進まなければ港に入る船がいなくなってしまい、経済的に衰退するので、この復旧にもスピード感が求められています。
飯田)奥能登まで約130キロということですが、同じ石川県でも震源との距離の「遠さ・近さ」がある。能登地方はいま、まさに復旧で頑張っており「専門家に任せる」というフェーズなのですが、加賀地方に関しては「むしろお客さんが来てくれないと本当に困る」という声も上がっています。
須田)奥能登以外のところでも液状化が起きて水道栓が遮断されるなど、生活インフラが破壊されています。あまり目が向いていないけれど、その復旧・復興も進めなければならない。石川県あるいは隣の富山県まで含めて、相当なお金が掛かることも予想されますね。
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