大東建託グループによるトークイベント『住まいは人権〜すべての人に開かれた賃貸住宅 を』レポート 外国人受け入れの重要性を伝える

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土地活用・賃貸経営の専門会社である大東建託グループは、1 月 18 日(木)、外国人賃貸市場に関するトークイベント『住まいは人権〜すべての人に開かれた賃貸住宅を』を東京・J-SQUARE 品川にて開催 。外国人受け入れの重要性など、今、日本人が考えていくべきテーマについて議論した。

大東建託グループによるトークイベント『住まいは人権〜すべての人に開かれた賃貸住宅 を』レポート 外国人受け入れの重要性を伝える

東京・J-SQUARE 品川にて開催されたトークイベントの様子

大東建託グループでは、引っ越しシーズンを前に 1 人 1 人が理想の住まいについて考えるきっかけを提供するべく、毎年 1 月 18 日を『いい部屋の日』と制定。2024 年のこの日は、自社グループが保有する知識や経験を活かし、住宅弱者と言われる外国人入居者の現状や問題点について理解を深めていくための、トークイベントを実施した。
同トークイベントでは、まず初めに株式会社グローバルトラストネットワークスの代表取締役社長・後藤裕幸氏が登壇。外国人専門の賃貸住宅保証サービスを提供している同社の視点から、日本の現状について説明した。

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株式会社グローバルトラストネットワークスの代表取締役社長・後藤裕幸 氏

人口比率の変動により日本人労働者が減少していく一方、世界的には人口が増加しているという現代において、日本で活躍する外国人労働者は今後も増えていくと後藤氏は語る。
外国人労働者を採用する会社は約 30 万事業者まで増えているといい、制度の改正により働きやすくなってくる点にも触れた。

続くパネルディスカッションでは、まず第 1 に、『外国人を取りまく住まいの現状』というテーマで進行。大東建託グループで賃貸建物の管理を担う大東建託パートナーズ株式会社の賃貸管理部 部長・芝田薫氏が、建物のオーナーによる外国人受け入れ状況や、承諾を得るための対策などについて説明した。

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大東建託パートナーズ株式会社 賃貸管理部 部長・芝田薫氏

現在、外国人の入居に関して、約 99%のオーナーから承諾を得ていると語る芝田氏。だが、過去に外国人に部屋を貸した際のトラブル(ゴミの分別など)を理由に、難色を示すオーナーもいるという。トラブルの主な原因となるものは「言語や文化の違いによるもの」であると芝田氏は指摘し、自社で外国人入居者へのサポート体制を充実させることによって、オーナーの承諾を得られるよう努めていると話した。

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万全のサポート体制を提供することで、オーナーからの入居承諾率は 99% に

また、外国人であることだけを理由に入居拒否をすることは人種差別にあたり、不法行為に該当することもある。そのため、不法行為による賠償責任といったオーナーへのリスクについて、過去の裁判例を用いて説明することもあると明かした。

大東建託グループの賃貸仲介事業の中核を担う大東建託リーシング株式会社 グローバル事業部 部長・石川義人氏からは、実際に入居者と接する仲介の立場から現状を説明。

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大東建託リーシング株式会社 グローバル事業部 部長・石川義人氏

お部屋探しの『いい部屋ネット』では、外国人をメインとしたインターナショナル店を東京と大阪の 2 店舗展開し、現在計 6 名の外国人スタッフがサポートにあたっている。

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外国人の物件探しをサポートする『いい部屋ネット インターナショナル店』

店舗スタッフへの問い合わせ内容に関しても、文化の違いが大きく影響していると石川氏は語る。日本のゴミ出しは世界から見てもかなり複雑であるとされており、そのルールについては、外国人入居者側もきちんと丁寧な情報収集をした上で臨むケースが多いという。
“外国人入居者=トラブルを起こす”というひと昔前のイメージが根付いてしまっている一面もあるが、昨今の外国人入居者は日本の文化を積極的に理解しようとする動きも多く、トラブルも減ってきているのが実態であると語った。

また、海外では、国によって賃貸住宅における常識が異なる場合もある

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国によってルールの違いも様々

「日本の“1F”は海外では“GF(グランドフロア)とされ、日本でいう 2F が“1F”とされる」「前の住人の退去前でも、物件の内見が可能」などのことから、自国とのルールの違いに戸惑ってしまう入居者も。インターナショナル店では、そうした各国の文化についても念頭に置き、その都度詳しく説明しているという。

また、いい部屋サポートセンターでは 6 言語に対応できるスタッフが常駐しており、外国人入居者から、日々多くの問い合わせを受けている。

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大東建託パートナーズ株式会社 いい部屋サポートセンター長・千葉英基氏

大東建託パートナーズ株式会社 いい部屋サポートセンター長・千葉英基氏は、外国人入居者特有の問い合わせ事例があるとして、「海外では“前家賃”という慣習が一般的でなく、当月払いだと思ってしまう」などのケースなどを説明。日本語が分からないために起きるこうした齟齬に対しても、スタッフが母国語できちんと伝えているため、それによって理解
を得られていると千葉氏は話した。

続いて第 2 のテーマ『外国人の受け入れと賃貸業界のあるべき姿』でディスカッションをおこない、今後について、それぞれの立場から話し合った。

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入居に関する課題や賃貸市場の変化を踏まえて今後について語る

海外から見ると“管理会社”というもの自体が一般的でない中、日本では管理会社システムの導入によって、多くの物件を一括で管理できるようになってきた。そんな管理会社の立場として、「外国人の方に対する正しい知識を身につける必要がある」と芝田氏は語る。

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芝田氏が語る、管理会社のあるべき姿

さらに芝田氏は、“外国人”とひと括りにするのではなく、それぞれの国の習慣を知ることでお互いに理解し合うことが重要であるとして、まずは自分たちがしっかりと理解した上で、外国人受け入れのメリットやサポート体制をオーナーへ伝えていきたいと熱弁。外国人の入居を受け入れることは、人口減少による空き家の増加を食い止めるカギとなると話した。

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千葉氏が語る、いい部屋サポートセンターのあるべき姿

いい部屋サポートセンターの役割として、千葉氏は、外国人入居者が安心できるよう多言語体制の強化に努めていきたいと語った。外国人スタッフは、日本に来た当初に入居者と同様の経験をしているため、「どのようなことに困り、どのようなことを欲しているのかを、的確に理解することができる」として、引き続きそうした人材の確保に力を入れていきたいと話した。また、スタッフ全体のコミュニケーションに関しても重要視していると語っていた。

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石川氏が語る、仲介会社のあるべき姿

仲介会社の立場である石川氏は、「賃貸借契約の内容をしっかりご理解いただくことが大事」と話した。日本語で説明を受けているケースが半数近くあり、内容を理解できないまま契約をおこなっている入居者が多いという現状に触れた。そのため石川氏をはじめとするグローバル事業部では、外国人スタッフの宅地建物取引士の資格取得を促進しており、部屋の紹介や契約手続き、管理会社への交渉など、重要業務をおこなうことのできるスタッフの育成に力を入れているという。外国人スタッフが案内することにより、「お客様の理解促進や安心感につながる」として、引き続き資格取得をサポートしていきたい旨を明か
した。

最後に平等な住宅提供の実現に向け、それぞれの立場が果たすべき役割について登壇者から一言。

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それぞれの立場から、今後果たすべき役割について語る

芝田氏は「サポート体制の充実が必要不可欠」と改めて語り、千葉氏は「“外国人=トラブルを起こす”という偏見をなくしていかなくてはならない」として、そのための情報発信を引き続きおこないたいと話した。石川氏は、「住宅業界の関わる全ての人が、外国籍のお客様に対する考え方を変える必要がある」として、日本の労働力となってくれる外国人入居者の力になりたいという意識を持つことが大切であると訴えた。

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外国人受け入れの重要性を訴える後藤氏

後藤氏は、外国人入居者について、「労働者が減少していく日本にとって、必要な存在であると理解していただきたい」と訴え、どうしたら「日本はいい国だ」と言ってもらえるよう考えていくことが重要であると力説。このトークイベントをきっかけに、日本人の意識が良い方向に変わっていくことを願った。

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大東建託グループの願いを込めたトークイベント『住まいは人権〜すべて の人に開かれた賃貸住宅を』

トークイベントを通じて、今後あるべき姿について伝えた大東建託グループ。本イベントによって住宅業界がリーダーシップを発揮することにつながり、多様性を受け入れる社会の構築に寄与していくことを願っている。

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