戦略科学者の中川コージが2月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国の春節の旅行者について解説した。
中国の春節の国内旅行者、実態はコロナ禍前の9割に回復
飯田)中国の春節(旧正月)の連休が終わりました。国内の旅行者数はのべ4億7000万人で、コロナ禍を上回ったという話もあります。春節休み全体を見て、いかがでしょうか?
中川)国家移民管理局がデータを出しています。出入境者数は約1351万7000人となり、2023年比で2.8倍です。ゼロコロナからウィズコロナに転換したのが2022年12月で、(2023年)1~2月はコロナが一斉にまん延していました。それもあって、2.8倍という数字になっています。ただ、2019年のコロナ前と比べると9割くらいなので、まだそこまで回復していない実態があるようです。
政治の話題が宣伝になり、旅行先の国が決まる
飯田)海外に出て行く人たちは、どこに行くのでしょうか?
中川)国営の新華社と並ぶ2大通信社である中国新聞社が、「モルディブが最もホット」という記事を出していました。モルディブはムイズ大統領が1月に訪中しています。インドから離脱するような形でインドと駆け引きしていたので、話題になったから増えたのだと思います。かなり政治案件が多く、逆に日本は処理水の影響で海産物輸入禁止などの話題があり、人民からすると北京の赤い空気感を忖度するわけです。
飯田)赤い空気感を。
中川)「行っている間に禁止されてしまったら大変だ」などと考える。そのため、日本への旅行は若干減っているところがあります。人民が政治の空気を忖度しながら旅行地を決めるところがある。忖度というのは「お上が言っているから行くまい」という話ではなく、宣伝が増えるのでそちらの方に意識が向き、家庭でも「その国はいいね」と話題が出るのだと思います。
飯田)「習主席が行ったところ」などとガンガン報道されて。
中川)政府が文句を言っているところだと、「変な国なのかな?」と思うのでしょう。一般的な感覚として、ポジ宣伝やネガ宣伝が増え、それで(旅行客が)減ったり増えたりすることがあるようです。
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