トランプ政権になるかも知れないときに、日本の政治はこれでいいのか
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が3月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田総理が出席を拒否した参院政倫審について解説した。
岸田総理、参院政倫審への参考人出席を拒否
岸田総理大臣は3月6日の参議院予算委員会で、野党から参議院政治倫理審査会に参考人として出席するよう求められ、「私は知り得る限りのことを説明した。出席は考えていない」と拒否した。
トランプ氏が勝つかも知れないというときに、こんなことをしていていいのか
飯田)立憲民主党の小西洋之氏の質問に対する答弁でした。衆院の政倫審には総理自ら出席しましたが。
宮家)総理をこれほど酷使する国はありませんよ。衆議院でかなり時間を掛けたのですから、私は正論だと思います。それよりも、「政治とカネ」の問題はもちろん大事ですが、アメリカでトランプさんが勝つかも知れないというときに、「こんなことをやっていていいのか? 日本の政治はこれだけなのか?」とは思います。これからアメリカで政権が変われば、日本の周りにも相当大きなインパクトがあるので、政治家の方々はそれに対する準備を考え始めてもいいと思います。今後も外交はいろいろと行うでしょうが、もっと防衛費の問題など、重要な問題の議論もしなければいけません。世の中は「政治とカネ」しかないのでしょうかね?
飯田)国会内にはいろいろな委員会があって、それぞれ専門性の高い議員もいます。野党の方々に言わせると「議論はきちんとやっている」ということですが、プレイアップされるのは「ここ」なのですね。
予算委員会で他に「議論すべきこと」があるのでは
宮家)私も役人時代、予算委員会はいつも恐怖でした。国会は全部そうなのですが、基本的に予算委員会は「ゼロサム」ゲームなので、政治とカネの問題となると北米局は関係ないのです。質問も一切来ません。勿論、待ち時間は掛かりますが、待っていればいいだけで、答弁のためのメモも書かなくていいですし、大騒ぎになることもありません。しかし、政治って「これだけではないでしょう?」と思います。財務省や外務省、経産省、警察庁も実はこれ以外にもいろいろな仕事をしているわけです。国民の注目を浴びるという観点から考えても、そういう問題をきちんと予算委員会で議論しなければ、一体どこでやるのでしょうか。全国放送するわけですよね。
飯田)全国ネットのテレビでも放映されています。
宮家)ときどき自民党も制度疲労が起きますよね。日本人はどうしても強い人に寄ってしまう。だから2大政党がなかなかできないのです。よく日本庭園にある「ししおどし」は、竹のところに水が流れて、最後に「パカン」と弾けますよね。いまの自民党もそうです。何十年かに1回起きるのでしょうか。「継続的に地道な議論ができればいいのに」と個人的には思います。
飯田)確かに、2012年に自民党へ政権が戻ってから、まさに12年が経ちます。干支が一回りしましたね。
宮家)リクルート(事件)のときもそうでした。何十年かに1回議論しているのですが、なぜかみんな忘れてしまうのですよね。
飯田)当時も「政治改革大綱」ができました。
宮家)あれを読むと、いろいろと良いことが書いてあるのですよね。でも、実はやっていなかったりするわけです。
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