キヤノングローバル戦略研究所主任研究員でジャーナリストの峯村健司が2月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。衆議院予算委員会における集中審議での岸田総理の発言について解説した。
岸田総理、政治資金問題について「説明責任を十分果たすよう促す」と述べる
国会の衆議院予算委員会で2月14日、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて集中審議が行われた。野党側が自民党のアンケート調査は不十分だとして、政治倫理審査会を開いて関係議員を出席させるよう求めたのに対し、岸田総理大臣は次のように述べた。
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飯田)2月14日に行われた予算委員会の集中審議で、立憲民主党の山井議員からの質問に対する総理答弁でした。この話はずっと続いており、支持率も低迷しています。
「秘書が」という言い訳ができないスキームをつくるべき
峯村)14日のやり取りを見ていましたが、やはり歯切れが悪いですよね。清和会だけでなく、次々にいろいろなものが出てきて、底なし沼のようになっています。特に二階元幹事長の約3500万円の書籍代はなかなかインパクトがありました。自分のことを褒めている本だけ買っていたという話もありますが、明らかに常軌を逸しています。一刻も早く真相解明、再発防止の手を打たないと、支持率がさらに低下するでしょう。
飯田)法律を改正し、「政治資金規正法に連座制を導入すべきだ」という話も出ていますよね。
峯村)このような話があると必ず「秘書が」と言われますが、そんなはずはありません。秘書しか知らなかったなどあり得ない。私もいろいろな国会議員とお付き合いしていますが、秘書は必ず議員にお伺いを立てますし、その人の意向なしに動くことはありません。「秘書が」という言い訳ができないようなスキームをつくった方がいいですよね。
最後に解散を仕掛けて辞めるのではないか
飯田)4月28日に補欠選挙がありますが、これがどう影響するのか。最近の地方における首長選などを見ていても、前橋市長選では自民・公明の推薦を受けた現職が負けています。
峯村)諸説ありますよね。なかには「(4月)28日辺りに合わせて解散するのではないか」という話もあります。「岸田さんは最後までよくわからない」と言う人もいるし、岸田さん周辺で「レームダックのまま任期を終えるのは嫌だから、最後に仕掛けて辞めるのではないか」と言う人もいます。
飯田)実際に民意を問うのだと。
峯村)でも、自民党にとってかなり厳しい結果になっているのは間違いありません。それでも解散できるのか、という話でしょう。
これだけ支持率が下がっても岸田総理のテンションが高い理由
飯田)一方で総理の側近に話を聞くと、「総理は意気軒昂なんだよ。テンションがいまも高いままなのだ」と言います。
峯村)そうらしいですね。かなりテンションが高いようです。
飯田)普通はこれだけ支持率が下がってくると頭を抱えそうですが、「支持率が下がっているのは自分のせいではない」という思いがあるのでしょうか?
峯村)私の見るところでは、岸田さん自身は「やることを相当やった」という部分があるのです。歴代の内閣を見ても、国の安全保障を含めて歴代内閣ができなかった防衛費増や反撃能力を含めた戦略三文書の策定などを実現してからです。「国民はまだ俺のよさをわかっていないが、きっと理解してくれる」と思っているのではないでしょうか。
飯田)安保3文書もやったし。
峯村)その通りです。にもかかわらず、閣僚らのスキャンダルが次々と起きたところに、今回の政治資金問題がとどめを刺した形です。
国民に向けた発信力に欠ける岸田内閣
峯村)岸田内閣に足りないと思うのは発信力です。国民に向けたアピールやメッセージなどの発信が非常に下手だと思います。いいことをやっているのに、それが届いていない。いわゆるパブリックリレーションズの問題なので、そこはもっと頑張った方がいいと思います。これだけいいことをやっているのにもったいない。支持率が低いのは、それが最大の要因だと思います。
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