ポケモン×SDGs――アップサイクルを知ろう!
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こんにちは、ニッポン放送アナウンサーの前島花音です。
ニッポン放送は9月16日(月・祝)~29日(日)の期間を「SDGs WEEK」と題し、様々な企業・団体の取り組みなどを紹介していきました(ぜひ、radikoのタイムフリー機能で聴いてみてきださいね)。
私も以前、私が大好きなポケモンが関わるSDGsの取り組みをご紹介しましたが、(記事はこちら)、今回も心躍る試みを発見! ぜひ皆さんにも知っていただきたく、最後までお読みいただけたら幸いです。
■「ポケモンと考える アート・環境教育展2」
今年の3月28日~4月6日に開催されたもので、一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団が協力する企画展です。多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻Studio3に所属する学生たちが制作した【POKÉMON UPCYCLE SCULPTURE】を展示しています。
今年が2回目の開催で、昨年展示された28体のポケモンに、新たなポケモンを加えた47体のポケモンたちが展示されました。ワークショップも行っており、ポケモンが好きなお子さんを中心に、様々な年齢層の方が訪れていました。
身の回りの廃材や、リサイクルショップで販売されているものなどが、“アップサイクル”されて新たな姿、作品に進化しています!
アップサイクルとは、本来であれば廃棄されるはずだったものに手を加えて、新たな価値を生み出し、別の製品として再生することで、“創造的再利用”とも言われています。展示会場では製作した学生の皆さん、教授からそれぞれのアップサイクル作品について直接お話を伺うことが出来ました。
全ての作品をご紹介したいのですが……その中でも興味深い、いくつかの作品をご紹介します!
■ちょうちょポケモン「バタフリー」
空を飛んでいるような形で展示されていますが、羽の部分はハンガーとクリアファイルで作られています。また、特徴的な編み目のような目はマイクの頭の部分、手はプラグ、胴体はドライヤー、足はマウスで出来ています。遠目で見るとバタフリーそのものですが、よく見ると廃材が溶け込んでいて感動します!
■おおごえポケモン「ドゴーム」
体全体が皮のバッグで出来ているようですが……ドゴームの口をファスナーを開けることで見事に表現しています。歯はペットボトルの蓋、手は電動ドリル、足は黒板消しの持ち手側の部分が使用されています。
個人的に一番好きなポイントは耳! ドゴームは“おおごえポケモン”で特性が“ぼうおん”
ということもあり音と繋がりが深いポケモン。そのドゴームの耳がヘッドフォンでできているのは、なんだかワクワクしますね!
■いのししポケモンの「イノムー」
こちらは多摩美の学内展示の時からさらに作り直しをして、より廃材が活きるよう改良したそうです。
注目してただきたいのは、体を覆っている茶色い毛! よーーく見ると……なんだか光っています。もう気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、配線ケーブルを使用しているんです!
外側の被覆(シース)をすべてはがし、中の導線を何束もまとめて作っているそう。1回目は毛糸で作っていたからこそぬいぐるみのようになってしまったものを素材を吟味してブラッシュアップしたそうです。配線ケーブルの中の銅線とは盲点でした!
ポケモンを見てから材料を決めていく、材料を探しながらどのポケモンに合っているか見定める、様々な方法がありますが、全ての作品にこだわりが詰まっていて、近くで観賞するとよりアップサイクルへの興味が増しました!
他の作品の写真も掲載しますので、どんなものが使われているか、一緒に考えてみましょう♪(答えは写真の下に小さく載せています)
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企画に携わった多摩美術大学の濱田教授は「何から作ったか分かるように、“アップサイクル”していることが分かるように作品を制作するということをコンセプトにしています。このアップサイクルをできるだけみんなに言葉として持って帰ってもらえたら嬉しいですし、お金をかけなくてもクリエイションができるということを体感してもらいたいです」と話してくださいました。
作品自体はもちろん、会場内にあるものすべてに工夫がされていました。展示しているポケモンについて紹介してあるパネルも紙と段ボールを用いられ、養生テープを使用していないので、それぞれ分別できるようになっています。作品が置いてある台も段ボールです!
“アップサイクル”というと、「牛乳のパックをペン立てにする」というイメージを持っていましたが、今回の展示は目から鱗な作品ばかり!思わず声が出てしまう発想で、廃材が利用されていました。
“創造的再利用”という呼び名の通り、学生の皆さんの創意工夫を見ながら制作中のお話を聞いていると、身近な廃材が宝物に思えてきます。第3回の開催を願いつつ、次はどんなポケモンが、どんな廃材で制作されるのか、ワクワクしながらよりアップサイクルについて学んでいきたいと感じた企画展でした。
あなたも、身の回りのものの“アップサイクル”について、考えてみてはいかがでしょうか。