ニッポン放送アナウンサーの前島花音です。私は昔からポケットモンスター、縮めて「ポケモン」が大好きで、幼いころからなくてはならない存在として、ポケモンとともに過ごしてきました。
みなさんは「ポケットモンスター」、縮めて「ポケモン」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。ゲームやアニメ、カードなどのイメージが強いかと思いますが、実は! ポケモンはSDGsを実現するため様々な試みを行っています。
今回は、いちポケモンを愛するものとして、楽しく学べる取り組みをまとめてみましたので、ぜひお読みください!
ニッポン放送では、フジテレビ、BSフジとともに、国際社会共通の目標であるSDGsについて考えるプロジェクト「楽しくアクション!SDGs」に取り組んでいます。このプロジェクトでは、持続可能な未来への扉を開くためのアクションを考え、伝えていますが、そもそもSDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す17項目の開発目標のこと。簡単に言うと、次の世代により良い世界を遺すため、地球にずっと住み続けるために、未来を見据えて行動しよう、という目標です。
4月22、23日に、4年ぶりに日比谷公園で行われた「Smile & Green やっと会えたね!ニッポン放送ラジオパーク in 日比谷」では、「楽しくアクションSDGs」ブースを出展し、ニッポン放送のアナウンサーが、自身の取材した内容をもとにトークショーを行いました。私は、大好きなポケモンとSDGsに関してお話をさせていただきました。
Part1「ポケモンとリサイクル」
まずご紹介するのは、「ポケモンとリサイクル」。SDGsの17の目標の中では、目標12「つくる責任つかう責任」に関連しています。
日常生活の中で分別に関心はあっても、自分が使ったペットボトルやビン・カンを捨てる場所を意識したことがあるという方は、それほど多くはないのではないでしょうか。そんな中、ポケモンでは、「リサイクル」について楽しく学べる、街をきれいにしていこうという試みを行っています。
リサイクルボックスの上に、紫色のどろっとしたポケモンが乗っていますね。このポケモンの名前は、ヘドロポケモンという分類の「ベトベター」。ベトベターは工場の廃液から生まれ、汚いものが大好物だというポケモンですが、このベトベターが乗ったゴミ箱を設置するプロジェクト「はらぺこベトベター ~ベトベターの満腹大作戦~」が実施されています。
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「はらぺこベトベター ~ベトベターの満腹大作戦~」は、ゴミの分別やリサイクルに対する意識の向上を促し、街の美化に楽しく取り組むきっかけになればとの思いから、日本コカ・コーラ株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、弊社の有志社員が、おおよそ1年をかけて構想・制作したプロジェクトです。
使用済みの飲料容器をAIで識別するリサイクルボックス「はらぺこベトベター」は、昨今社会的な関心が高まっているプラスチックごみ問題を、楽しく解決することを目指しました。「はらぺこベトベター」の口の中に組み込まれたカメラが対象物を撮影し、日本アイ・ビー・エムのAI技術「IBM Watson」により回収した空容器の種類(ペットボトル・ビン・カン)を識別。ベトベターが鳴き声によってその結果をフィードバックします。また、認識した結果を蓄積し、Webサイトで可視化します。これらの仕組みによって、再生できるものとそれ以外のものをユーザーが正しく認識し、楽しく分別・リサイクルしてもらうことを目指しています。
~株式会社ポケモンHP『AIを搭載した「はらぺこベトベター」が、楽しく街をキレイにします』より https://corporate.pokemon.co.jp/topics/detail/105.html
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この取り組みは2018年にスタートし、2020年11月に初めてこのゴミ箱が設置されました。以降、各地への設置を検討していて、私は上野にある国立科学博物館に設置されているゴミ箱を実際に見ました。
ペットボトル、ビン・カン、何のゴミが入れられたかをAIが識別し、入れられたごみによって、「ベットベトゥ!」「ベー!」など、ベトベターの鳴き声が変わる仕様になっています。
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飲料用PETボトルは、適切な状態で回収されれば、プラスチック資源として再利用が可能。一方課題となっているのが、リサイクルボックスへの異物混入です。一般社団法人全国清涼飲料連合会が2020年10月に公表した調査結果によれば、「街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てることが多いか」との問いに対し、「自販機の横にあるボックス」と答えた消費者が52.9%。市中の自販機に併設されているボックスが「飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知らなかった」と回答した消費者が42.4%に上るなど、リサイクルボックスの役割と分別回収の重要性がまだ十分に認知されていないとの結果も出ています。本プロジェクトが、こうした現状を解決するきっかけのひとつになれば幸いです。
~株式会社ポケモンHP『AIを搭載した「はらぺこベトベター」が、楽しく街をキレイにします』より https://corporate.pokemon.co.jp/topics/detail/105.html
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Part2「ポケモンと防災」
続いては、「ポケモンと防災」です。SDGsの17の目標の中では、目標11「住み続けられるまちづくりを」に関連しています。
ニッポン放送でも、防災について「避難場所をみんなで確認しておく」ことの大切さをお伝えしていますが、いざという時こそ慌ててしまい、普段ならば判断できること、把握していることも頭から抜けてしまうことがあります。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、有事の際の避難に関して、より一層心配なことも多いとお思いの方もいらっしゃいました。
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そこでご紹介したい試みが、「ピカチュウおまもり」です。
「ポケモンの被災地支援活動POKEMON with YOU財団」HPからダウンロードした紙を折って、自分で作ることができるおまもりです。紙には「もしものときに集まる場所」「災害用 伝言ダイヤル171」「離れた場所に住む知り合いの電話番号」「家の電話番号」「家族の携帯の番号」などを記入するスペースがあります。名前の通り「おまもり」としていつも持ち歩くことで、有事の際に自分できちんと取るべき行動が判断ができ、家族や友人と一緒に防災について考えるきっかけにもできます。
トークショーを行った後には「職場の電話番号も加えて記載しておこう、などもしもの時に必要な連絡先を考え直すことができた」「ピカチュウおまもりに記入する電話番号を考えた際に、もし非通知からの電話だと出られない設定になっている場合は、どの電話番号からも受け入れられるように設定をし直す必要があると感じた」など、「何かが起きたら」ということを自分事として捉えるよになった方も多くいらっいました。
「一般財団法人POKEMON with YOU財団」は、全国各地で子供の災害対策支援活動を行っていて、災害発生直後の遊びや学びに役立つ物資提供や被災地の仮設住宅、児童館等の訪問活動など、活動内容は多岐にわたります。
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POKÉMON with YOUの活動は、2011年3月11日に東日本を襲った大震災で心に傷を負ったこどもたちに、「少しでも笑顔を取り戻してもらえるように」との想いからスタートしました。復興は進みましたが、まだ多くのこどもたちが支援を必要としています。また近年は、地震や台風などによる大きな自然災害が、東北以外でも発生しています。
ポケモンはいつもキミのそばにいる──
被災地のこどもたちに笑顔を届ける活動は、これからも POKÉMON with YOUの根幹として、東北から日本全国に対象を広げて継続していきます。~一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団HP「こどもの災害対策支援活動」より https://www.pokemon-foundation.or.jp/activity/affected_areas/
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ピカチュウおまもりのように、小さなお子さんが楽しく防災について学ぶことができる取り組みとしては、災害対策支援活動 防災教材「ポケモンぼうさいきょうしつ」の無償提供があります。
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ポケモンが登場する映像やクイズを通して、災害時に身を守る行動を、楽しみながら学ぶことができる、防災教育の導入教材です。地震・火災・大雨・台風という、どの地域でも起こりうる、身近な災害を題材にしています。
~一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団HP「こどもの災害対策支援活動」より https://www.pokemon-foundation.or.jp/activity/affected_areas/bousai/
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■「ポケモンぼうさいきょうしつ」概要動画(約3分)
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「ポケモンぼうさいきょうしつ」は、未就学児の教育・保育施設でご利用いただくために開発した教材です。自治体を通じて希望を募り、全国の幼稚園・保育園などに、順次贈呈しております。
※個別の施設からのご応募は、現在承っておりません。~一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団HP「こどもの災害対策支援活動」より https://www.pokemon-foundation.or.jp/activity/affected_areas/bousai/
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Part3 「ポケモンと地方創生」
最後は「ポケモンと地方創生」です。SDGsの17の目標の中では、目標11「住み続けられるまちづくりを」に関連しています。
今年2023年2月、上柳昌彦アナウンサーと東北の取材を一緒に行った際、福島県浪江町の「道の駅なみえ」に設置された「ラッキー公園」を訪れました。
ポケモンをモチーフにした遊具が並んでいて、お子さんはもちろん、ポケモンが好きで訪れたという人も多くいらっしゃいました。
もしポケモンたちが遊具になってみんなの憩いの場に現れたら、どんなことが起きるだろう?福島県浪江町に誕生した「ラッキー公園」はそんな発想から生まれた、日本ではじめてのポケモンをモチーフにした公園です。主役は「ふくしま応援ポケモン」として地元の方々にも愛されている「ラッキー」。幸せを運ぶポケモンといわれ、福島県の「福」を連想させることから、2019年に県と包括連携協定を締結して以来、「ふくしま応援ポケモン」として県内各地の魅力を伝えてきました。遊具はすべて株式会社ポケモンがデザインし県に寄贈しています。
~株式会社ポケモンHP「私たちの取り組み」より https://corporate.pokemon.co.jp/activities/
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「〇〇応援ポケモン」とは、ポケモンが行っている“ポケモンローカルActs〜ちいきのちからってすげー!~”の取り組みで活動するポケモンたちのことを指しています。(応援ポケモンの選出由来も面白いので是非調べてみてくださいね)
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“地域それぞれの「推しポケモン」が、各地の魅力を国内外に発信する活動(Acts)を行なっています。この取り組みにより多くの人が各地域を訪れることで、地域とポケモン、それぞれのファンが増えることを目指しています。”
~ポケモンローカルACTs.HP「ポケモンローカルACTs~ちいきのちからってすげー!~」よりhttps://local.pokemon.jp/
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ポケモンでは、このような公園をはじめ、各地の推しポケモンとのプロジェクト、グッズ、「ポケふた」(ポケモンが描かれたマンホール)の設置など、その地域に人が訪れるような取り組みを行っています。
自分の住んでいる地域はどんなポケモンがいるのか、またどんなポケモンが応援ポケモンとなるのか考えてみるのも、地域を知る大切なきっかけです。ポケモンが大好き! という方も、あまり知らない……という方も、地方創生の新たな試みとして、是非チェックしてみてください。
Part1からPart3まで、ポケモン×SDGsの取り組みについてのご紹介、いかがでしたでしょうか? ポケモン、そしてSGDsへの関心が少しでも高まっていたらとても嬉しいです。今回ご紹介した取り組みの他にも、日々様々なプロジェクトが進行し、全国へ広がっています。「楽しく」「気軽に」SDGsについて理解を深められるものばかりですので、これからも愛をもって追いかけ、みなさんにお伝えしていきます。
是非、はらぺこベトベターやポケふたを探したり、オリジナルのピカチュウおまもりを作って持ち歩いてみてくださいね!
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