政策アナリストの石川和男が11月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。今、見直し議論が盛んな「年収の壁」について専門家と議論した。
年収が一定額を超えると、本人や扶養者に税金や社会保険料が生じるボーダーライン「年収の壁」。おもに103万円や150万円など税金の負担が増えることで手取り額が減少する税制上の壁と、106万円や130万円など社会保険料の負担が増え、手取り額が減少する可能性のある壁が存在する。パートに多い主婦や学生などが、この壁を意識して勤務時間を抑制することで、手取り額が増えないことなどが問題視され、国民民主党は「103万円の壁」を178万円まで引き上げることを訴えている。
この問題について、番組にゲスト出演した公認会計士YouTuberの山田真哉氏は「本来は全員税金を払った方がいいし、全員社会保険に入った方が平等。しかし、資力・財産がない、稼いでいない方は免除しますよという「免除の壁」。つまり、守るための壁」だと前置き。ただ、「『106万の壁』を前に106万円以下だったら社会保険に入らなくていいと思う人もいれば、『106万稼いで社会保険入りたい』と思う人もいる」と、そこがこの問題を複雑にしている要因のひとつだと指摘した。さらに「今は週20時間以上働いたら、みんな社会保険でっていう。それが多分、今後週10時間以上とか週5時間以上とか、そういう時間を基準にした動きが進みそう。これからは「時間の壁」ができる」と述べた。
その上で、山田氏は「賃上げ税制などが多く面倒なので、どちらかというと基礎控除などを変動制にしてほしい。年金のマクロスライドのように『今年は48万円だけど、来年は78万円です』のようにすべき」と提言。
石川は「『年収の壁』と聞くとたしかに「壁」だが、要するに“あなたから税金、社会保険料を取らない……その最低限の金額”という風に、ちょっと見方を変えるとわかりやすいのでは」と締めくくった。
番組情報
政策アナリストの石川和男が、暮らしに欠かせないエネルギー問題の様々な“見方”を提起。
日ごろ、テレビや新聞などで報じられることが少ない専門家ならではの視点やデータを駆使して、歪んだ情報を正し、あなたのリテラシー向上をお手伝いします。
※2024年4月6日(土)までは『石川和男のエネルギーリテラシー』