Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1223回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、大ヒット公開中の『はたらく細胞』と、12月27日公開の『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』をご紹介します。
『はたらく細胞』独創的でユニークな映像体験に、ワクワクが止まらない!
細胞を擬人化するというユニークな設定で大きな話題を呼んだ人気同名コミックを、まさかの実写映画化。
直接見ることは出来ない体内世界を舞台に活躍するのは、映画史上最小の登場人物。すなわち、細胞。人々の命を守るために奮闘する彼らの戦いが、壮大なスケールで描かれています。
『はたらく細胞』のあらすじ
人間の体内に存在する細胞の数は、なんと37兆個。酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球をはじめ、無数の細胞たちが私たちの健康を守るために、日夜を問わず全力ではたらいている。
高校生の漆崎日胡は、父親・茂との2人暮らし。健康的な生活を送る日胡の体内では、細胞たちは生き生きと楽しそうにお仕事中。一方、不摂生を繰り返す茂の体内にいる細胞たちは、ブラックな労働環境に疲れ果てている様子。
どこにでもいるような仲良し親子だったが、細胞のレベルでみてみると、その体内環境には雲泥の差があった。しかし、体内への侵入を狙う病原体たちが動き出して……。
『はたらく細胞』のみどころ
ダブル主演を務めたのは、永野芽郁と佐藤健。
赤い髪と帽子がトレードマーク。夢と希望を胸に、立派な赤血球になるために奮闘する赤血球役を、キュートに演じる永野芽郁。そして、顔も髪も真っ白。外部から体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する白血球役を、キレッキレのアクションで体現する佐藤健。“細胞”という前代未聞のキャラクターを、持ち前の演技力と華で演じ切りました。
また山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、板垣李光人、加藤諒、マイカ・ピュ、深田恭子、片岡愛之助、新納慎也、小沢真珠、Fukase(SEKAI NO OWARI)など豪華すぎる面々が、個性豊かな細胞たちを好演。
さらに本作では、「はたらく細胞」シリーズでは初めて、生活環境が大きく異なる親子の姿を通じて、“人間の世界”もクローズアップ。
阿部サダヲと芦田愛菜が、ドラマ「マルモのおきて」のスペシャル版以来、10年ぶりに父娘役で共演を果たしていることにも注目です。
永野芽郁、佐藤健をはじめ、俳優たちの振り切った演技にエネルギーを感じずにはいられない本作。それぞれの細胞が私たちの体内で、どのように機能しているかを知ることで、彼らに愛着を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
私も、この何かと忙しない年末年始、暴飲暴食して細胞さんたちを困らせないようにしなきゃなぁ…なんて、柄にもなく考えてしまいました。
まさに、笑って、泣けて、タメになるエンターテインメント超大作。世代を問わず楽しめること請け合いです。
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』壮大な冒険の前日譚をスペクタクルに描く
J・R・R・トールキンの名作小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』3部作。世界的な大ヒットを記録したファンタジー超大作の最新作が、アニメーション映画としてスクリーンにお目見え。
“あの指輪“をめぐる壮大な冒険へと続く、まだ誰も知らない伝説の戦いが繰り広げられます。
舞台となるのは、誇り高き騎士の国ローハン。この国は偉大なるヘルム王に護られていたが、突然の攻撃を受けたことから、美しい国が崩壊されていく。
ヘルム王の娘であるヘラ王女は、王国を救うために立ち上がる……。
制作総指揮を務めるピーター・ジャクソンからメガホンを託されたのは、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの神山健治監督。
リアルな情景の数々は実写と見紛うほどに美しく、その世界観に没入してしまうこと間違いなし。シリーズのファンはもちろん、『ロード・オブ・ザ・リング』を知らない人も堪能出来る一作です。
<作品情報>
はたらく細胞
大ヒット上映中
出演:
永野芽郁 佐藤健
芦田愛菜 山本耕史 仲里依紗 松本若菜 染谷将太
板垣李光人 加藤諒 加藤清史郎 マイカピュ
深田恭子 / 片岡愛之助
新納慎也 小沢真珠 鶴見辰吾 光石研
Fukase(SEKAI NO OWARI) / 阿部サダヲ
原作:清水茜『はたらく細胞』(講談社「月刊少年シリウス」所載)
原田重光・初嘉屋一生・清水茜『はたらく細胞BLACK』(講談社「モーニング」所載)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:Official髭男dism「50%」(IRORI Records/PONY CANYON Inc,)
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)清水茜/講談社 (C)原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 (C)2024映画「はたらく細胞」製作委員会
公式サイト http://saibou-movie.com
<作品情報>
ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い
2024年12月27日(金)から全国劇場公開 吹替/字幕版同時公開(※一部劇場除く)
出演:
日本語吹替版キャスト:市村正親 小芝風花 津田健次郎 山寺宏一 本田貴子 中村悠一 森川智之 入野自由 田谷隼 斧アツシ 大塚芳忠 沢田敏子 村治学 飯泉征貴 坂本真綾
字幕版キャスト:ブライアン・コックス ガイア・ワイズ ルーク・パスクァリーノ マイケル・ワイルドマン ロレイン・アシュボーン ローレンス・ウボング・ウィリアムズ ベンジャミン・ウィンライト ヤズダン・カフォーリ ビラル・ハスナ ショーン・ドゥーリー ジュード・アクウディケ ジャニーン・デュヴィツキ ドミニク・モナハン ビリー・ボイド ミランダ・オットー
監督:神山健治
製作:フィリッパ・ボウエン ジェイソン・デマルコ ジョセフ・チョウ
製作総指揮:フラン・ウォルシュ ピーター・ジャクソン サム・レジスター キャロリン・ブラックウッド トビー・エメリッヒ
音楽:スティーブン・ギャラガー
キャラクター原案:J.R.R.トールキン
原案:ジェフリー・アディス&ウィル・マシューズ AND フィリッパ・ボウエン
脚本:ジェフリー・アディス&ウィル・マシューズ フィービー・ギッティンズ&アーティ・パパイョルイウ
ストーリー:アディス&マシューズ、フィリッパ・ボウエン
原題:The Lord of the Rings : The War of the Rohirrim
(C)LOTR TM MEE lic NLC. (C)2024 WBEI
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト http://lotr-movie.jp
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連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/