1月26日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣（吉田尚記アナウンサー）がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』（ニッポン放送・毎週日曜日23時30分～）が放送。吉田が、鳥トマトによる作品『東京最低最悪最高！』のおすすめポイント3つを紹介した。

番組では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『東京最低最悪最高！』をピックアップ。Web漫画サイト『ビッコミ』にて公開直後にアクセスが集中して史上最高の100万PVを記録した話題作で、なんでも手に入るこの街で何も手にすることのできなかった大人たちが贈る令和東京残酷物語となっている。

今回は吉田が、このマンガのおすすめポイント3つを解説した。

吉田：おすすめポイントその１は「本当に腹立たしい」。

例えばファンタジーものだと、「魔王に村が滅ぼされそうになってる」とかそういうのが出てきますよね。それって、ファンタジーの世界では大変かもしれないけど、現実世界を生きる我々からすると、共感はできないじゃないですか。だけどこの作品って、例えば週末の夜22時ぐらいに「週明けまでにお願いします」ってフリーの人に頼む発注業者とか出てくるんですよ。育児に全く協力しない旦那とか、リアリティがめちゃくちゃあるんですけど、そのどれもこれもがマジで腹立たしいの。初めの数ページがめちゃくちゃムカつくのね。

西井万理那（パートナー）：あ～なるほど！

吉田：おすすめポイントその2は「出てきたときにバカにしてた人が、イメージを逆転させる」。

これは出版社の物語で、オムニバスストーリーなんですけど。ある程度成功した編集者だった人が元彼と別れたんだけど、「その分ちょっとつまんない感じの奥さんと結婚しました」みたいな失礼な言い方をしてるわけですよ。でもその奥さんが、ずっとそれまでダメな人かと思わせといて、最後にひっくり返るんですよ。それで、最後めちゃくちゃいい終わり方する。だから、実は全部、読後感がめちゃくちゃいいのよ。生活感のある物語でどんでん返しってなかなか難しいんですけど、読み終わったときすっごい気持ちいい。

西井：気になる！

吉田：おすすめポイントその3は「読んでるだけで世間が広がる」。

例えば編集者の人とかが出てくるんですけど。他の部署のバカにしてたバツイチの先輩OLと、めちゃくちゃ重要な気づきを得て超仲良くなったりとかするんですよ。こういうのって、飲み会とかで一晩ぐらいゆっくり話を聴くと初めて聴けるような話なんですけど、それがオムニバスで連続で出てくるんです。この中で「よく取材してるな～」と思うのが、中国で日本のアニメを好きになって日本に来日して仕事をした人が、一体どんなストーリーを辿ったのかみたい のが、すごいリアリティのある形でマンガになってるのね。こういうのって、すっと読めるマンガで身につくことってなかなかないので、ルポルタージュとしてめちゃくちゃ優秀だと思うんですよね。

『東京最低最悪最高！』の魅力的な要素3つを語った吉田。この作品は『月刊！スピリッツ』にて連載中で、Web漫画サイト『ビッコミ』でも読むことができる。コミックスは、最新第1巻が発売されたばかり。作品に関する詳細は、ホームページや公式SNSでチェックすることができる。