『恋愛裁判』齊藤京子が映画初主演、元アイドルがアイドル役に挑む
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Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1292回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、1月23日から劇場公開された『恋愛裁判』と『安楽死特区』をご紹介します。

画像を見る(全13枚) (C)2025「恋愛裁判」製作委員会
『恋愛裁判』アイドルが恋をしてはいけませんか?
国内だけでなく海外からも注目を集めている、日本独自のアイドル文化。特に近年は、“推し活”なる言葉も流行。SNSの普及なども手伝って単なる応援活動にとどまらず、さらなる広がりをみせています。
映画『恋愛裁判』は、日本のアイドル界で暗黙の了解とされる「恋愛禁止ルール」に焦点をあてたヒューマンドラマ。企画・脚本・監督は、『淵に立つ』や『LOVE LIFE』などで国際的に高い評価を受けている深田晃司。
「元アイドルの女性が賠償命令を申し立てられた」という新聞記事から着想を得たオリジナルストーリーが誕生しました。
『恋愛裁判』のあらすじ
アイドル界で人気急上昇中の5人組グループ、ハッピー☆ファンファーレ。人気ナンバー1でセンターを務める山岡真衣は、きらきらとした笑顔でパフォーマンスを披露し、ファンを虜にしている。
しかしステージから降りると、そこに待っているのは「夜ふかし禁止」や「外での飲み会禁止」といった厳しい規律の数々と、所属事務所からかけられる“期待”という名のプレッシャーだった。
メンバーと切磋琢磨する日々を送っていたある日、真衣は中学時代の同級生・間山敬と偶然再会。恋に落ちてしまう。アイドルとして生きることより敬との関係を選んだ彼女だったが、所属事務所からは「恋愛禁止条項違反」で訴えられることになり……。
『恋愛裁判』のみどころ
主人公・山岡真衣を演じたのは、本作が映画初主演となる齊藤京子。日向坂46の元メンバーでセンター経験も持つ彼女だけに、真衣役はまさにハマり役。「恋愛禁止ルール」と抑えきれない恋心との狭間で揺れ動く、アイドルの内面的な葛藤を見事に体現しています。
共演は間山敬役の倉悠貴をはじめ、唐田えりか、津田健次郎など、深田監督が信頼を寄せる実力派キャストが集結。物語にリアリティと深みを与える好演をみせています。
日本の現代社会において、アイドルは熱狂と経済効果を生み出す重要な存在。その一方で、個人の感情や価値観といった人間らしさはルールで縛られてしまうという矛盾が起こっていることも問題視されています。
本作は華やかな世界の裏側にある孤独や犠牲を描きながら、社会全体に潜む違和感を浮き彫りにしていく作りとなっており、その秀逸さに感嘆せずにはいられません。
そして、誰かに作り上げられた“偶像”として生きるのではなく、自分の人生を取り戻そうと奮闘する主人公の姿に、強く胸を打たれる人も多いことでしょう。
第78回カンヌ国際映画祭で絶賛されたのも納得の渾身作です。
『安楽死特区』この重い問いかけに、答えを見つけることはできるのか……
「安楽死法案」が可決された、近未来の日本。難病を患い余命宣告を受けた酒匂章太郎は、安楽死法に反対している。
そこでパートナーでジャーナリストの藤岡歩と共に、特区の実態を内部告発することを決意。国家戦略特区として安楽死希望者のために作られた施設「ヒトリシズカ」に入居するが……。
原作は、在宅医として2500人以上の看取りを経験してきた医師で作家の長尾和宏による同名小説。『痛くない死に方』『「桐島です」』の高橋伴明監督がメガホンを取った社会派映画『安楽死特区』。
患者たちの切実な姿と、彼らを取り巻く人々の苦悩。登場人物ひとりひとりの思いに触れるたびに、心を揺さぶられます。
一体、死とは誰のものなのか。人間の尊厳という究極の問いを突きつける衝撃作です。

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会
<作品情報>
恋愛裁判
2026年1月23日(金)から全国東宝系にてロードショー
出演:
齊藤京子 倉悠貴
仲村悠菜 小川未祐 今村美月 桜ひなの
唐田えりか 津田健次郎
企画・脚本・監督:深田晃司
共同脚本:三谷伸太朗
音楽:agehasprings
主題歌:「Dawn」 yama (Sony Music Labels Inc.)
製作:東宝
共同製作:ノックオンウッド agehasprings ローソン
制作プロダクション:ノックオンウッド TOHOスタジオ
配給:東宝
(C)2025「恋愛裁判」製作委員会
公式サイト https://renai-saiban.toho.co.jp/

(C)「安楽死特区」製作委員会
<作品情報>
安楽死特区
2026年1月23日(金)から新宿ピカデリーほか全国順次公開
出演:
毎熊克哉 大西礼芳
加藤雅也 筒井真理子 板谷由夏 下元史朗
友近 gb 田島令子 鈴木砂羽
平田満 余 貴美子 奥田瑛二
監督:高橋伴明
原作:長尾和宏 小説「安楽死特区」ブックマン社刊
脚本:丸山昇一
主題歌 「Oh JOE GIWA」作詞:丸山昇一、gb 作曲編曲:林祐介
制作協力:ブロウアップ
配給:渋谷プロダクション
製作 「安楽死特区」製作委員会(北の丸プロダクション、渋谷プロダクション)
(C)「安楽死特区」製作委員会
公式サイト https://anrakushitokku.com/
連載情報

Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/






















