#8 二岡智宏(巨人) 史上初の1試合で2打席連続満塁HR

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#8 二岡智宏(巨人) 史上初の1試合で2打席連続満塁HR

 

◎2006年4月30日 東京ドーム

中日  0 0 0 0 0 0 2 2 0 = 4

巨人  3 0 0 7 5 0 0 0 X =15

HR (中日)アレックス6号

(巨人)二岡3号・4号・5号 小久保8号・9号

 

「バッターは、きょう満塁ホームランを放っている二岡。また満塁で登場です。5回の裏、投げた6球目……打った! 打球は右中間へ舞い上がった! ライトが追うぞ! どうなんだ? 果たしてあるのか? フェンスに張り付いた! 入った! 二岡、1試合2本の満塁ホームラン! なんと1人で10打点! ワンゲーム10打点! 歴史を見た!」

(実況:ニッポン放送・山田透アナウンサー)

 

「自分でもビックリしています。10打点はうれしいし、2回も満塁の場面を作ってくれた前の打者に感謝します」……お立ち台でそう語った巨人・二岡智宏。2006年4月30日、東京ドームで行われた中日戦に「3番・ショート」で出場した二岡はこの日、まさに神懸かっていた。まず初回、第1打席に中田賢一からライトスタンドへ先制の3号2ランを叩き込む。だがこれは「二岡劇場」のほんの幕開けに過ぎなかった。

 

3回の第2打席は凡退したが、4回、2死満塁のチャンスで第3打席が回ってくると、石井裕也から今度は左中間へ4号満塁弾! 右へ左へホームランをかっ飛ばし、この時点で1試合2発・6打点、すでにお立ち台は確約されたようなものだったが、この日の二岡の“引きの強さ”は尋常ではなかった。5回、前の回と同じ2死満塁という状況で、再び二岡に打席が回ってきたのである。

 

右打者でありながら、右方向へ大きな打球を飛ばせるのが魅力だった二岡。第1打席の先制2ランも右方向だった。そして5回のこの場面も、フルカウントから中日・ガルバの投じた速球を振り抜くと、打球は右中間へ舞い上がりそのままスタンドイン! なんと「2打席連続満塁ホームラン」の快挙を達成したのである。さらに「1試合10打点」というセ・リーグタイ記録のおまけつきだった。

 

1試合に満塁ホームラン2発は、1951年に大映・飯島滋弥が記録して以来55年ぶり。2打席連続は史上初で、2024年にソフトバンク・山川穂高が18年ぶりに記録するまで二岡だけが唯一の達成者だった。実は試合前日の4月29日が30歳の誕生日で、二岡はその日にシーズン初の特打を行ったという。試合後、特打に付き合ってくれた打撃投手へ頭を下げる二岡がいた。

 

現役15年間で通算173発と決してホームラン打者ではないのに、ここぞという場面で右方向に大きいのを打つ……そんなイメージが二岡にはある。そんな勝負強さを買われ、この2006年は開幕から3番を打ち、6月には巨人軍第71代目の4番打者に抜擢された。生え抜きでは高橋由伸以来7年ぶりで、二岡の場合、激務のショートだけに価値が高い。

 

ところで、この二岡の「2打席連続満塁弾」を幼い頃に東京ドームのスタンドで観ていたのが、令和初の三冠王・村上宗隆(現シカゴ・ホワイトソックス)である。当時6歳、大型連休に熊本から家族旅行で東京を訪れた村上少年の心に、二岡のグランドスラム2連発は強烈なインパクトを残し、野球選手を目指すきっかけにもなった。

 

<チャッピー加藤>

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