#17 村上宗隆(ヤクルト) 2試合連続満塁HR
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◎2022年5月7日 東京ドーム
ヤクルト 2 0 4 0 0 0 0 0 0 = 6
巨人 0 0 0 0 2 0 0 0 0 = 2
HR(ヤクルト)山田6号 村上9号
「ノーアウト満塁、バッターは4番の村上。3回の表、ヤクルト、追加点のチャンス。ピッチャーはシューメーカー。村上、投げました。打ちました! 打球はライトへ舞い上がる! 打った瞬間、行ったでしょう! 2試合連続満塁ホームラン。4番の村上、ライトスタンド中段へ今シーズン第9号、満塁ホームランであります」
(実況:ニッポン放送 山田透アナウンサー)
現在、メジャーリーグ移籍1年目からホームランを量産し、あのアーロン・ジャッジ(ヤンキース)らと本塁打王争いを演じているホワイトソックス・村上宗隆。5月21日(日本時間)現在、村上が17本、ジャッジが16本と村上は1本差でアメリカンリーグのトップに立っている。“ムラカミ効果”で、過去3年連続で100敗以上しているホワイトソックスも5月21日現在、25勝24敗でア・リーグ中地区2位と大健闘。やはり、海を渡っても村上は“村神様”だった。
村上はヤクルト時代、高卒2年目の2019年、開幕からレギュラーに抜擢され全試合に出場。36本塁打を放ってブレイクを果たした。2021年には39本塁打で初のホームラン王に輝き、ヤクルトの6年ぶりのリーグ優勝と、20年ぶりの日本一に貢献している。
翌2022年、プロ5年目、22歳になった村上はさらに“進化”した。5月6日、東京ドームで行われた首位・巨人との直接対決。同点の3回、無死満塁のチャンスで打席に立った村上は、フルカウントから堀田賢慎が投じた内角低目・149キロの直球(見逃せばボール)を振り抜くと、打球はスタンドイン! 村上は「4年連続満塁ホームラン」を記録した。この8号満塁アーチで打線に火がつき、ヤクルトは13-2で圧勝。巨人に0.5ゲーム差と迫った。
押せ押せムードで迎えた翌7日のゲーム、ヤクルトは初回、巨人先発マット・シューメーカーから山田哲人が6号2ランを放って先制。さらに3回、連続死球と四球で無死満塁のチャンスを作ると、ここでまた村上に打席が回ってきた。2試合続けて、ピッチャーが四球で逃げられない無死満塁のチャンスが巡ってくること自体、やはり村上は「持っている」。
だが、その運を活かすのは“実力”である。村上はシューメーカーが投じた3球目、内角低目・136キロのボールを一閃。打球はライナーで右翼席中段へ飛び込んだ。2日続けて、満塁の好機にインローの球をスタンドへ。豪快なグランドスラムにドーム全体がどよめく中、村上は悠然とダイヤモンドを一周。まるでベテランのような風格すら感じる所作だった。「みんなが作ってくれたチャンスだったので、何とかしたかったです。最高の形になってくれてよかったです」(村上)
この一発は試合を決定づけただけでなく、ヤクルトは首位に立ち、巨人に与えたダメージも大きかった。翌8日のゲームもヤクルトは逆転勝ちで巨人を3タテ。リーグ連覇への足がかりを作った。また満塁弾2発で“2日で8打点”の荒稼ぎをした村上は、巨人・岡本和真を抜いてリーグトップの31打点をマーク。令和初の三冠王への道を歩んでいった。
これは余談だが、前に当コラムで取り上げた2006年4月30日の「二岡智宏 2打席連続満塁ホームラン」を、当時6歳だった村上は家族と一緒に東京ドームで生観戦している。それから16年後、同じ場所で今度は自分がプロ野球史上9人目の快挙をやってのけたのだ。もしかするとこの試合も、未来のホームラン王がスタンドで見守っていたかも……。
最後に、村上の凄さを示すデータを一つ。王貞治を抜く“日本選手最多”の56号ホームランを最終戦・最終打席で放ち、三冠王に輝いたこの2022年、村上は155安打をマークしている。内訳はシングルヒット77本。二塁打21本、三塁打1本、本塁打56本だ。つまり「シングルヒットより長打の方が多く、ヒットの3分の1以上がホームラン」なのだ。そして「長打78本のうち、およそ7割超がホームラン」。 つまり打球が外野の頭を越せばほとんどスタンドインしているわけで、けっこう震える数字だ。
この傾向はメジャーに行っても変わらない。5月21日現在、村上は今季42安打を放っていて、うちシングルヒットが23本、二塁打はたった2本で、三塁打は0。本塁打は17本。ヒットの約4割、長打のほとんどがホームランだ。まさに根っからのホームラン打者。移籍1年目のキング戴冠は、日本人プレーヤーではまだ誰も成し遂げていない快挙だ。いったいどこまで本数を伸ばせるのか? 楽しみでならない。
<チャッピー加藤>





