『RYUJI 竜二』柳楽優弥が“伝説の男”を鮮やかに演じる
公開: 更新:
Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1338回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、10月30日から公開の『RYUJI 竜二』と、独占配信中のNeflixシリーズ 「俺のこと、なんか言ってた?」をご紹介します。

画像を見る(全13枚) (C)2026「RYUJI」製作委員会
『RYUJI 竜二』 スタイリッシュかつエモーショナル、今こそ届けたい人間ドラマ
1983年に劇場公開された映画『竜二』。暴力シーンを伴わないヤクザ映画として高く評価されると同時に、主演・脚本を務めた金子正次が映画の封切り直後に33歳という若さで逝去したというショッキングな出来事も相まって、日本映画史に刻まれる“伝説”として多くの人の記憶に残る作品となっています。
その『竜二』が43年の時を経て、『RYUJI 竜二』として再創造されました。メガホンを取ったのは、人間の機微を繊細に描くことで定評がある名匠・⽔⽥伸⽣監督。
昭和の傑作が令和の時代に、奇跡のリメイクを果たしました。
『RYUJI 竜二』 のあらすじ
1980年代の新宿歌舞伎町。この界隈で一目置かれているヤクザの花城竜二は、腕っぷしが強くて情に厚く、舎弟からも慕われている男。その生き様は、任侠魂の権化のようだった。
しかし愛する女性・まり子と出会い息子が生まれると、竜二は家族を守るために裏社会から足を洗うことを決意。生活は決して楽ではないものの、親子3人で慎ましくも穏やかな生活を送るようになる。
ところが、薬物に溺れた兄弟分・カズや舎弟である直、ひろしとの再会が、竜二の日常を静かに脅かすようになり……。
『RYUJI 竜二』 のみどころ
主人公・花城竜二を演じたのは、製作陣が「この人以外には考えられない」と出演を熱望した柳楽優弥。白いコートを羽織って肩で風を切って歩く姿、目線の動かし方など何気ない仕草の一つ一つが絵になり、確かな存在感を発揮。裏社会で生きながらも、愛する家族を守ろうともがく男を体現しています。
また妻・まり子役に川栄李奈、舎弟・直役に萩原利久、ひろし役にJUNONを配し、竜二の“家族”を好演しているのも見どころのひとつ。そして見るからにカタギじゃない、危険なにおいが漂わせているのが、三宅健、田中美里、伊藤英明といったベテラン勢。
彼らが竜二の人生にどのように絡んでいくか、その動向から目が離せません。
特徴的なのが、竜二の回想シーン。映像のアスペクト比を1:1として、モノクロで表現することで現在と過去の時間軸が明確となり、さらに観客のイマジネーションを掻き立てる作りとなっています。
こうした実験的で洗練された画面構築と、俳優陣の熱のこもった演技が見事な化学反応を生み出し、本作を普遍的な人間ドラマへと昇華させたと言っても過言ではありません。
恐れず怯まず、伝説的映画に挑んだ渾身作です。
Neflixシリーズ 「俺のこと、なんか言ってた?」誰だって認められたい、褒められたいんです!?
ドラマ「不適切にもほどがある」やNetflixシリーズ「離婚しようよ」など、数々の話題作を生み出してきた脚本家・宮藤官九郎。“承認意欲”をテーマにオリジナル脚本を手がけたのが、Netflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」。
ロンドンのシェイクスピアグローブ座で公演を行い、大成功を収めた舞台俳優・高瀬川玄。いまや、彼を知らない日本人などいない。意気揚々と帰国しようとしていたところ、パンデミックが発生。イギリスに留まることを余儀なくされてしまう。
それから2年後、高瀬川が日本に戻ると、なんと家族も世間も彼のことをすっかり忘れてしまっていて……。
主人公・高瀬川玄を演じたのは、名実ともに日本を代表する名優・役所広司。誰もが知っている俳優・役所広司が、誰にも知られていない大物俳優を演じているということが、まず何よりも面白い。自身の噂や評判を常に気にかけている男を、コミカルかつチャーミングに演じています。
高瀬川の承認欲求モンスターぶりに抱腹絶倒する一方で、思わず自分の人生に高瀬川を重ね合わせてしまうエピソードも。
名声を失った男の再起を描いたハートフルコメディ。あなたもきっと、強制的に人生をリセットされた高瀬川の奮闘ぶりを応援せずにはいられない!?

(C)2026「RYUJI」製作委員会
<作品情報>
RYUJI 竜二
2026年10月30日(金)から全国公開
出演:柳楽優弥 川栄李奈 萩原利久 JUNON(BE:FIRST) 田中美里 RYUKI(MAZZEL) 千原ジュニア 三宅健 伊藤英明
原作:⾦⼦正次「⻯⼆」
監督:⽔⽥伸⽣
脚本:冨岡淳広
主題歌:「It’s not a bad life」BE:FIRST(B-ME)
企画プロデュース・制作:セディックインターナショナル
制作協⼒:ダブル・フィールド
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
特別協賛:新潟シネマヴィレッジ cayenne
(C)2026「RYUJI」製作委員会
公式サイト https://www.culture-pub.jp/ryuji_movie/

俺のこと、なんか言ってた?
<作品情報>
Netflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」
独占配信中
出演:
役所広司
賀来賢⼈ 松⼭ケンイチ 江⼝のりこ 河合優実 / 濵⽥雅功
磯村勇⽃ 上川周作 ⼭本 博(ロバート) 中井千聖
坂井真紀 吉⽥ ⽺
脚本:宮藤官九郎
企画・プロデューサー:磯山晶
音楽:河野伸
エグゼクティブプロデューサー 岡野真紀子(Netflix)
プロデューサー:下村和也
アソシエイトプロデューサー:齊藤有希 古屋厚
ライン・プロデューサー:中島勇樹
監督:金子文紀 坂上卓哉 渡部篤史
撮影:川島周 初野 一英
照明:本間大海
録音:中山大輔
特機:後藤泰親
VFXプロデューサー:赤羽智史
美術:高橋泰代 松﨑宙人
装飾:うてなまさたか 岩井健志 奥 利暁
衣裳:篠塚奈美 新井正人
ヘアメイク:村田美代子
ヘアメイクデザイン(役所広司):勇見勝彦
ヘアメイク(役所広司):佐々木弥生
編集:松尾茂樹
音響効果:猪俣泰史
選曲:稲川 壮
リレコーディングミキサー:浜田洋輔
スクリプター:小栁菜乃
キャスティング:下鳥真沙
スケジュール:木村政和
助監督:伊藤和馬
制作担当:渡辺 修
制作プロダクション:THE SEVEN
制作協力:ROBOT
製作:Netflix
連載情報

Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/






















