大相撲夏場所、きのう12日目から、稀勢の里は相撲人生をかけた正念場の対モンゴル勢4連戦がスタートしました。
まずは、照ノ富士を下して12連勝。
きょう13日目はいよいよ全勝同士の白鵬との大一番があり、14日目は日馬富士、千秋楽は鶴竜に、綱とりを賭けて挑みます。
二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は、稀勢の里の横綱昇進には、「14勝以上、プラス3横綱を倒しての優勝」つまり、何はなくても優勝が必要と言っています。
昭和以降、40人の横綱が誕生。
でも、30代で昇進したのは、わずかに7人だけです。
そうはいっても、心強いのが、大師匠、隆の里が30.9歳で相撲界の頂点を極めた。
亡くなった師匠の恩に報いるために、残り3日間は勝ち続けなければなりません。
白鵬、日馬富士は2場所連続優勝。
鶴竜も14勝1敗&優勝で横綱を射止めました。
規定では2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績ということですから、今回は期待されます。
今場所の稀勢の里は表情が変わったと評判です。
例によって、取組後は、「1日1番、集中しているだけ」と、毎度おなじみのフレーズを繰り返すばかりですが、土俵などでは少し変化が出ていることをおわかりでしょうか。
まばたきの回数が少ない。
つまり、それほど緊張でガチガチにはなっていないことの証明です。
また、今場所は、「お客さんが連日、たくさん入ってくれる。うれしい。」とも言っています。
それもそのはず。
今場所、最も声援が多いのは、稀勢の里です。
稀勢の里といえば、その強さは誰もが認めるところ。
しかし、親方衆からすれば、相撲の技術だけをいえば「平幕以下かもしれない」と辛口のコメントが返ってきます。
なるほど、これといった必殺技をもたず、白鵬のように勝利の執念をみせ、あり得ない手を使うでもない。
体格まかせで正攻法だけ。
もう少し、頭を使って相手を研究しながら、といった一面が見られないからです。
八角理事長は「強いなぁ、と思わせる相撲が必要だ」と課題を掲げていますが、今場所はちょっと違うと評判です。
今日からの対横綱3連戦、どんな相撲ぶりになるのか楽しみです!
(原文)青木政司
5月20日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」