大いなる決断の時?大相撲西前頭六枚目・遠藤聖大(25歳) スポーツ人間模様

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写真提供:産経新聞社

西前頭六枚目の遠藤。自己最悪の初日から8連敗で、早くも負け越しが決まりました。
おとといは顔から土俵際に落っこちていった。あれに昔の若乃花をダブらせましたね。
昨日は目の上に絆創膏とスゴイことになってきました。でも8連敗は予想しなかった。

遠藤は一種の美意識でサポーターをつけたりしないので、どこも悪くないように見えますが、実は右足首を痛めているのです。

故障のはじまりは、去年の3月場所で負った左ひざ前十字じん帯断裂。周囲は手術をすすめましたが、本人は今回も「保存療法」でいくと決断しました。
そもそも大学3年の時、右ひざ前十字じん帯を断裂したことがある。その時も「保存療法」で凌いできたそうなのです。
ただ、プロの相撲界はそれほど甘くはなかった。左ひざをかばうことで、右足首への負担が増して痛みを発症してしまったのです。
「たとえ、番付を落としてもじっくり治療した方がいい。」と関係者は何度も勧めたそうですが、本人が「まずは出る」と耳を貸さなかったそうです。

この辺どうなんでしょうか?
力士によっては、休場して故障を治すことを優先して、三段目まで落ちても復活してきた千代の国とか、阿夢露や栃ノ心も相当下まで落ちて復活してきた訳ですから、遠藤もキッチリ治したほうがいいのではないかと思うのですが、休みきれない。

振り返ってみれば、今の相撲ブームの元を築いたのは、まぎれもなく遠藤。

恩義に厚い遠藤は、母校愛もなかなかのもの。
日大カラーのピンク色で浴衣を仕立て、今月7日、名古屋場所の初日の3日前にもかかわらず、東京ドームの巨人-阪神戦で始球式に登場しています。
実は、巨人のチームスポンサーのひとつが日本大学。
この日は、日本大学デーのサブタイトルがついていました。
まず、けいこという批判も当然ですが、やむにやまれぬ事情もあったのです。

そして、遠藤をかかえる追手風部屋は、それほど大所帯ではなし。ということで、若い衆などの面倒もみなければなりません。先立つものといえば、やはりタニマチ筋。
幸い、遠藤にはCMにも出演する大タニマチがつきました。
もし、長期休養すればスポンサーにも迷惑がかかるということまで考えている、とある関係者は漏らしています。

「前に出ても、負けは負け。以上!」と妙義龍戦を総括し、足早に去っていく姿は何ともさびしい。

現在、相撲界で笑わない、しゃべらない、の1番手は間違いなくこの人です。
5月場所で11勝をあげ再び上昇ムードに乗るかと期待が大きかった今場所。
このままで終わってほしくはない。
人生最大のピンチをどうか乗り切ってほしい、と多くのファンは願っています。

今後一度大いなる決断をしなければならない時期が来るのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

(原文)青木政司

7月18日(月・祝) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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