リオデジャネイロオリンピック・柔道男子90キロ級で初の金メダルを獲得したベイカーは「歴史に名を刻めた」と満足そうな表情を浮かべました。
第1シード獲得で、2回戦から4連続一本勝ち。
さすがに、決勝では一本勝ちとはいかなかったものの、その強さは一目瞭然でした。
父は米国人、母が日本人というハーフ。
生まれたのが9月で秋の1文字、そして末広がりの人生を送ることができるようにという願いを込め、茉秋と名付けたそうです。
それにしても、人生とはわからないもの。
6歳で柔道を始めたのは、ピアノを弾く姿勢が悪く、それなら柔道を習った方がいいとすすめられたからでした。
こんなユニークな一面もありました。
田村亮子からサインをゲットすると「ヤオヤさんからサインをもらった。」
それを聞いて、ご家族は何のことかわからなかったそう。
でも、ヤオヤではなく、ヤワラだったことが判明して大爆笑になった。
中学時代は、都の大会ではソコソコの成績はおさめていますが、東海大浦安高で監督からすすめられた肉体改造が今日を築いた。
66キロだった体重がわずか3年間で20キロ以上もの増量に成功。
1日7食とハードなトレーニングでメキメキと力をつけ、高校時代の公式戦で46戦連続一本勝ちという、ちょっと信じられない記録までつくっています。
ユニークな性格で、増量を指示した監督へ
「体重を増やすなら、夜も筋力トレーニングをやりたい。でも、朝のランニングを免除してください」
と交換条件までつけた。こういうところが、ベイカースタイルです。
ここまでつよくなったのは、ヒーローがいたから。00年シドニー五輪100キロ級で金メダリストとなった井上康生をみて「本当に格好良かった」。
東海大へ進学してからは、その井上さんの指導を受け、ますます強くなっていきました。
8月1日時点の世界ランキングは2位ですが、それ以前は堂々の1位。第1シードとして大本命だったわけです。
ただ、決勝戦の直前はこれまで感じたことがないプレッシャーを感じて「3回も吐いてしまった。」にもかかわらず、金メダルを獲得できたのは、
「おまえが一番、いいオーラが出ている。」
と井上監督が最高の言葉で送りだしてくれたからでしょう。
ヒーローがヒーローをつくったといっても過言ではありません。
イケメンのアスリートとして女性雑誌で特集されたこともある他、公立中学校の教則本にもベイカーが掲載されています。
そしてツイッターなどSNSでも、結構、ユニークな一面をのぞかせています。
『アキバ系アイドルのどこがいいのかわからない』『猫カフェに行きたい』『満員電車が嫌い』や『(国際柔道連盟の)ビゼール会長とは知り合い。ツイッターでつながっているから』など…。
しかし、金メダリストになったばかりでも、次を見据えているのがすごい。
「東京オリンピックではまだ25歳。連覇します。」
と宣言。
リオデジャネイロオリンピック・柔道男子90キロ級金メダリスト・ベイカー茉秋。
日本の未来を作ってくれるかもしれません。
8月12日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」