「遼、頑張って仕上げてくれ、と英樹からいわれた。」男子プロゴルフ・石川遼(24歳) スポーツ人間模様

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石川遼

石川遼 写真提供:産経新聞社

国内の男女プロゴルフツアーは、今週から秋の陣へ。
とりわけ、スター不在で頭を抱えていた男子は、石川遼の復活を起爆剤としたいところでしょう。
9月1日に開幕するフジサンケイクラシックは本当に楽しみです。

前週のKBCオーガスタで石川は1日目から首位を快走する完全V。
2月に発症した腰痛から復帰して2戦目のことで、石川にとって結婚してからの初優勝ということできっと生涯忘れることのできない1勝となったことは間違いありません。

そんな復活劇の舞台裏ではいったい何があったのか?
治療とリハビリを続けていた際、石川は何と男子ツアーのテレビ解説を行った。
これに対して特にインターネット上ではアンチファンから批判の嵐。
ただ、そうしたバッシングを知りながら、知っていても気にしないようにしていたのです。
J2横浜FCのカズが全盛期「ダメな時、スポーツ紙の1面になるようなら一流の証明」と話したことがある。
これはごもっとも、ゴルフ界のスーパースター石川もその域に達してきたのでしょう。

石川には、同学年の松山英樹というライバルがいます。
2016年ワールドランキング(男子ゴルフ世界ランキング)では現在松山が16位、石川は140位ですが、松山がここまで来れたのも石川のおかげです。

2007年、高校1年の5月、石川が男子ツアーのマンシングウエアカップで優勝を飾り史上最年少Vを達成。
そのニュースを松山は遠征の帰り道のバスの中で知りました。

「遼にできるのなら、おれも。」

そして松山は2011年のマスターズでローアマチュアに輝くなど、世界トップクラスの階段を駆け上がっていくのです。

そんな訳で11月24日からオーストラリアで開催されるゴルフの国・地域別対抗戦「ワールドカップ」のパートナーに石川を指名しました。
各国の代表は2人、8月1日時点での世界ランキング最上位選手がもう1人の選手を指名して挑む団体戦です。
ちなみに2人が団体戦でタッグを組むのは初めてですが、実は8月、松山が秘密裏に帰国して石川と直接会ってパートナーの打診をしています。

石川にとってワールドカップの当週は、所属する企業(カシオ)のトーナメントが行われる週。スポンサーが高いお金を支払うのは、自社が開催する試合にぜひ、出てほしいからですが、石川はスポンサーを説得して日本代表を選びました。

「遼、頑張って仕上げてくれ、と英樹からいわれた。これは、とても重い言葉です。これからの3カ月、結果をきっちりと出して、心配が半減するように。」

素晴らしいライバル。スポーツはやっぱりいいですね。

8月30日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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