「私は元気だけが取り柄です。小学校から高校までずっと皆勤賞でした。」女子プロゴルフ・表純子(42歳) スポーツ人間模様

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風が吹けば、桶屋が儲かる。

きのう29日、一番儲けたのは国内女子プロゴルフツアー「リゾートトラスト・レディス」で優勝した表純子でした。

6番のパー3で『7』をはじめ、1ダブルボギー、3ボギーのハーフ45という大乱調。
9番終了時点で31位タイと、大きく順位を下げながら、10番で競技中断のサイレンが響き渡った。
瞬間最大風速14.8メートルという強風が吹き荒れた最終日、結局、1時間30分後、中止が決定。

トーナメント規定で「第2ラウンド終了時点で首位」の表が、タナボタどころではない、前代未聞の優勝を飾りました。

優勝賞金は、1,440万円。
ただ、今回は賞金ランキングの加算額は75%の1,080万円だが、スポンサーの好意で100%が支払われる。
ちなみに、中止時点で首位に立っていたのは、イボミと佐伯三貴だった。

「率直にいって複雑です。他の選手からは、いろいろ冷やかされて…。後ろめたい気持ちがある。何か、一生いわれそうな気がして。」

と、とても、優勝者のスピーチとは思えない、すまなそうな表情でした。

しかし、自然を相手に戦うゴルフだけに仕方がない。
この日は、グリーン上で止まっていたボールが、突風が吹いて約10メートルも転がる荒天でした。
スポーツはルールがあって成立するもの。
最終日は、さえないプレーだった表でしたが、前日は従来のトーナメントコースレコードを3ストローク縮める64をマークしています。
まさに、勝負は時の運。運も実力の内でしょう。

ちなみに、表が頑張っているからこそのご褒美かもしれません。
最多連続出場記録を更新し続けている、鉄の女。
2011年開幕戦から積み上げてきた記録は、187試合になりました。
このレコード、何がすごいといえば、賞金ランク35位以内の日米共催、「ジャパンクラシック」、またそのシーズンの優勝者と賞金ランク25位以内が資格を与えられるツアー最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップ」にも出場を果たしていることでしょう。
さらには、その間、棄権や失格が1度もない。トッププロは、シーズン中、休みを入れることが当然。

「私は元気だけが取り柄です。小学校から高校までずっと皆勤賞でした。だから、仕事でも-。正直な話、ケガでようやく歩いたという時もある。」

と明かしています。
女子ゴルフ界のレジェンドは、広島県広島市出身。広島商業高校まではバスケットボールでインターハイ、国体などへ出場し、本人はその道を究めるつもりでいましたが、「身長が足りない」とゴルフ転向をすすめられた。
静岡県内のコースで研修生になって、4年でプロテスト合格以来、今季がプロ21年目です。

ツアー通算5勝。
指導を受けている岡本綾子からは、「私がアメリカツアーで賞金女王になったのは、36歳だった。
まだ老け込む年齢ではないし、45歳までは頑張れ」とエールを送られている。
一方で、人柄が抜群で後輩からの信頼が厚い。
ファンサービスも積極的に行い、いい人の典型です。

「今度はきっちりと勝ちます。できれば、今シーズン、もう1度ちゃんと勝つ。」

と宣言。

「良く寝て、よく遊ぶが長持ちの秘訣。だけど、最近はしんどい。睡眠を8時間とって、昼寝も2、3時間する。」

とうつむき加減でほほ笑んでいました。

(原文)青木政司

5月30日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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